積立投資をシミュレーションしよう!やり方やおすすめツール・投資先を解説

積立投資を始める際に便利なのが「シミュレーション」です。具体的な金額や利率、期間を設定するだけで簡単に試算できるツールも数多くありますが、実際のやり方がよく分からない方も多いのではないでしょうか。

初めてシミュレーションを行うのであれば、利率を何パーセントに設定するべきか、シミュレーションに近い安定したリターンを狙うにはどんな投資先や銘柄が良いのかも知っておきたいところ。そこで今回は、実際に積立投資を行っている筆者が下記の点について解説していきます。

  • 積立投資でシミュレーションを行うべき理由
  • 積立投資のシミュレーション方法、おすすめツール
  • 積立投資でシミュレーションに近いリターンを狙うのに最適な銘柄

あわせて、積立投資を行うのに使いやすい証券会社もピックアップしてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてくださいね!

積立投資のシミュレーションが重要な理由

積立投資ネット 積立投資を始める際に、シミュレーションが重要な理由は2点です。

1.シミュレーションすることで、目標額に必要な積立額が分かるから

積立投資のシミュレーションを行う最大のメリットは、目標額に必要な積立額が分かることです。

たとえば、20年後に1,000万円を貯めたいとき、試算していけばどの程度の金額を積み立てるのか、どの程度のリターンを見込む必要があるのかも具体的に分かってきます。

具体的に目標までの道をシミュレーションできる

積立額を逆算できると、実際に生活の中からどの程度の金額を積み立てていくべきかが見えてくるため、目標までの「道」が見えてきます。

将来的には大きな金額が欲しいと思っている方も、時間を味方にしながらコツコツ積み立てて目標達成するイメージが見えてくるため、資産形成に対するモチベーションアップにも役立ちます。

2.無理なく積み立てた場合、いつ頃にどれくらいの資産になるかがわかる

目標額が特に決まっておらず、まずは無理のない金額から積立投資してみたい場合も、その金額でどの程度の資産になるのか知っておくと、長期で資産形成を行う参考になりますよね。

積立パターンを複数行えば、資産形成の筋道を修正しやすい

たとえば、1万円ずつ毎月積み立てたとき、年利3%で10年行ったとして……とシミュレーションしていく中で、思ったよりも少なく感じたとします。
そんなときは、もう少し頑張って1.5万円にしたらどうか? など、シミュレーターを使えば気軽に試算がし直せるので、具体的にいろいろなパターンを考えられます。

シミュレーションなしで「無理のない金額」だけを積み立てて将来困ってしまうよりも、実施することで資産形成の「軌道修正」がしやすくなり、非常に役立ちます。

積立投資のシミュレーションのやり方

積立投資積立投資のシミュレーションを行う場合、以下の情報が必要です。

  • 毎月の積立金額
  • 年間の利回り(年利)
  • 積立期間

シミュレーション手順は簡単。たとえば、金融庁のシミュレーションツールなら、3ステップのみです。

積立投資シミュレーションの手順
  1. シミュレーションツールにアクセス
  2. 毎月の積立額、利回り、積立期間を入力
  3. 最終積み立てイメージをチェック

以下の例で、実際に金融庁のNISA用積立投資シミュレーションを行ってみましょう。

【例】30代が月3万円、年利3%で20年積み立てたとき

シミュレーション結果は、以下の通りです。

nisaシミュレーション

最終積立金額は9,848,060円、うち運用収益は260万円超となりました。今回は年利3%で運用した場合をシミュレーションしましたが、5%で運用した場合の結果も一緒にまとめてみました。

【月々3万円、20年間積み立てた場合のシミュレーション結果】

積立金額(万円/月)

積立期間(年)

年利(%)

最終積立金額(万円)

利益(万円)

3

20

3

984.90

264.9

3

20

5

1,233.10

513.1

月々3万円、20年間を年利3%で積み立てると利益は260万円以上

月々3万円、20年間を年利3%で積み立てを行うと、利益は260万円以上になる結果となりました。月々でみると大きな金額ではありませんが、複利の力を借りることで、最終的にはしっかりと資産形成されていくことがわかります。
利率が上がれば、最終的な積立金額も大きくなるため、リスクとリターンのバランスをみながら投資商品を選ぶと良いでしょう。

月々3万円程度、年利3%がひとつの方針目安

今回のシミュレーション方法で例として入れた「3万円」「年利3%」というのは、実は積立投資を行う際の一つの目安となる金額・利率です。

つみたてNISAは半数以上が3万円超の設定金額

積立投資の強い味方「つみたてNISA」の非課税枠は、年間40万円まで。12か月で割ると約3万3,000円です。
実際に、楽天証券の調査記事「つみたてNISA調査: 3万円超55%、継続率96%。利用者1年弱で倍増」を見てみると、実際に積立投資を行っている方のうち56%が「3万円超」の金額を毎月積み立てています。
もちろん無理をする必要はありませんが、節税をしながらいくらの積み立てをしようか迷ったときは、ひとつの基準として知っておくと良いでしょう。

堅実なリターンを狙った商品なら利回りは3%~が目安

堅実なリターンを狙った商品の場合、利回りは3%、高くても5%程度が目安です。実際に、人気の積立投資商品「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などは、平均して年利5%程度の実績となっています。
もちろん売却の時期や投資期間によって左右されますが、シミュレーションをする際もそのくらいを想定した内容がおすすめです。

積立投資の魅力は「時間を味方にする」ことですので、利回りが小さく見えても、長期間運用すれば堅実なリターンが得られます。

これは使える!おすすめ積立投資シミュレーター3選

積立投資のシミュレーションツールは多くありますが、中でも初心者でも扱いやすい、おすすめのシミュレーターを3種類ご紹介します。

1.SBI証券「積立シミュレーション」

まずは定番の大手ネット証券「SBI証券」が提供するシミュレーションサービス「積立シミュレーション」。このシミュレーターの魅力は、様々な角度から数値を「逆算」できることです。

様々な角度からシミュレーションできるシンプルなツール

まずは基本の「金額・期間・利回り」の設定で将来的な資産形成イメージを数値とグラフで見られるのはもちろん、そのほかにも以下のシミュレーションが可能です。

  • 目標達成額までの積立期間(目標額、積立額、利回りを設定)
  • 必要な毎月積立額(目標額、積立期間、利回りを設定)
  • 必要な利回り(目標額、積立額、積立期間を設定)

目標額などの条件が決まっているときに、変動させられる要素を逆算すれば、どう積立投資していけばよいかの道が見えてきます。

様々な角度からシミュレーションを行いたい方に最適な、シンプルなツールです。

ツールはこちら:積立シミュレーション|SBI証券

2.楽天証券「積立かんたんシミュレーション」

楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」も、シンプルな設計でおすすめです。
こちらのツールは、下記の2種類のパターンで、利回りや積立額、目標額を入力して計算できます。

  • 毎月の積立金額から将来の資産を計算
  • 目標達成に必要な積立金額を計算

シミュレーション内容が分かりやすいため、初心者でも要点さえおさえれば簡単に算出できますので、はじめてのシミュレーションにもおすすめです。

目標達成に最適な銘柄を同時検索できるのが大きな魅力

楽天証券のシミュレーターを活用する最大の魅力は、目標達成に最適な投資信託の銘柄を同時に検索できること。

たとえば、「利回り3%」でシミュレーションした場合、過去の運用成績が3%以上の銘柄を一括検索できます。

投資初心者は、そもそもどの銘柄から選んだらよいか分からない……というケースも少なくないため、条件に合いそうな銘柄もチェックできるのは便利ですね!

ツールはこちら:積立かんたんシミュレーション|楽天証券

3.三菱UFJ国際投信「つみたてシミュレーション」

三菱UFJ国際投信「つみたてシミュレーション」は、想定利回りだけではなく、利回りの「振れ幅(リスク)」まで加味して計算できるツールです。
こちらのシミュレーターも、下記の条件を逆算してシミュレーション可能で、非常に便利と言えます。

  • 累計積立額(初期投資額、積立額、積立期間、リスク・リターンを設定)
  • 毎月の積立額(目標額、初期投資額、積立期間、リスク・リターンを設定)
  • 積立期間(目標額、初期投資額、積立額、リスク・リターンを設定)
  • 初期投資額(目標額、積立額、積立期間、リスク・リターンを設定)

投資にはリスク(不確実さ)がつきまとうものですが、想定利回りから上下何%程度の振れ幅を想定しておくかも設定することで、より実際の運用成績に近いシミュレーション結果が得やすくなります。

利回りだけではなく「リスク」も加味したシミュレーションが可能

リスクまで考えて計算するのは中級者というイメージがありますが、純資産総額の上位10ファンド(銘柄)のリターン・リスクも、シミュレーション画面の下部で公表していますので、そちらの値を参考にしながら入力すれば、より実際の資産運用に近い数値となるはずです。

単純なシミュレーション結果だけではなく、より綿密にチェックしておきたい派の方におすすめのツールです。

ツールはこちら:つみたてシミュレーション|三菱UFJ積立投信

おすすめのつみたてNISA対象銘柄

投資 積立積立投資を行うなら、節税ができる「つみたてNISA」口座の開設がおすすめ。
つみたてNISA口座で取引を行う場合、厳選された対象銘柄より選んで投資するしくみとなっています。

ここでは、つみたてNISA対象銘柄の中でも大手証券会社で実際に人気が高く、おすすめの銘柄を5種類ピックアップしてご紹介します。

※基準価格、純資産は2021年8月13日時点

1.SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、SBIグループと世界最大級の運用会社「バンガード」が提携し、誕生した低コストな投資信託商品。

S&P500指数をベースに、低コストで間接的に投資を行う商品

米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果をめざ し、運用する方針の商品です。
集めた資金はS&P500指数に連動するETF(上場投資信託証券)に投資されるため、米国株への「直接投資」ではない点に注意が必要です。

人気の高いS&P500指数への連動を目指しているということで、短期では相場の上がり下がりは当然あるものの、長期的には安定した利益を見込めるのが大きな魅力。

運用コストを最小限にしながら、安定したリターンを狙っていきたい方におすすめです。

2.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、つみたて投資の定番商品ともいえる、低コストで人気の「eMAXIS Slim」シリーズの一つです。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとして、連動を目指して運用を行います。

全世界を対象に分散投資を行いたい投資家向けの商品

商品の名称通り、投資先は日本を含む先進国、および新興国の株式とメインとした「全世界株式」です。

この商品は、一つの国の株式だけではなく、「全世界」を対象に分散投資を行いたい方に最適。
たとえば、ある国が経済的に落ち込んでしまっても、他の国へも投資しているので商品全体としては大きな影響は受けにくい……という利点がありますので、バランスよく多くの国に投資してみたいなら、ぜひ購入してみましょう。

3.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

低コストで人気のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドと同じく「S&P500指数」に連動を目指して運用される金融商品です。

S&P500指数に連動を目指して米国株に直接投資を行うインデックスファンド

特徴としては、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドとは異なり、マザーファンドを通じて直接「対象インデックスに採用されている米国株式」に投資する点。
こちらも低コストで運用できるため、人気を集めています。

間接的に投資を行うよりも、資金を直接米国株に投資する運用を好む方におすすめです。

4.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、グローバルな投資対象にバランスよく投資を行う金融商品です。

8種類のインデックスをベンチマークに様々な投資先へ投資ができる

こちらの商品は、8種類のインデックスをベンチマークとして、12.5%ずつ組み合わせた合成指数への連動を目指し、資産運用を行います。

  • 東証株価指数(TOPIX)(配当込み)
  • MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)
  • MSCIエマージン グ・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)
  • NOMURA-BPI総合、FTSE世界国債インデックス(除 く日本、円換算ベース)
  • JPモルガンGBI‐EMグローバル・ダイバーシファイド(円換算ベース)
  • 東証REIT指数 (配当込み)
  • S&P先進国REITインデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)

国内外の株式や債券、リートなど、国だけではなく投資商品の種類も分散されており、分散投資を徹底して行いたい方向けの商品と言えます。

5.ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、購入時手数料、換金手数料なしの「低コスト投資」が魅力の金融商品です。

MSCI コクサイ・ インデックスを指標に先進国に投資

MSCI コクサイ・ インデックスをベンチマークとして、日本を除く主要先進国の株式へ投資を行います。

新興国や日本の株式は投資対象ではありませんので、日本が経済的に厳しい状況であっても、世界の先進国の経済状況が良ければリターンが見込めます。

日本以外の国をメインとして、ローコストで長期的に投資を行いたい方におすすめです。

3大ネット証券は積立投資におすすめ

積立投資を行うのであれば、長期的に安心して利用できる大手証券会社がおすすめ

利便性やオンラインで手軽に手続きができる点も加味すると、以下の「3大ネット証券」の中から選ぶのがおすすめ! 使いやすさ、知名度、長期の(企業としての)安定性も間違いがありません。

1. SBI証券

SBI証券は、ネット証券の中でもトップクラスの知名度とユーザー数を誇ります。
2020年9月時点でのSBIの調査によると、口座開設数No.1の実績あるネット証券です。

SBI証券で積立投資を行うメリット
  • ユーザー数が多く、サポートも充実
  • Tポイントが貯まる、使える

ユーザー数が多く利用しやすいUI、サポート充実で安心

ユーザー数が多いということは、それだけ多くの投資家から支持を得ているということにも繋がります。
積立投資のサービスに力を入れており、公式サイトでは、ログインすると「買付数・金額ランキング」や「トータルリターンランキング」なども公開されています。

投資初心者でどの銘柄を選んだらよいか分からないときにも、みんなが実際に選んでいる商品を比較しながらチェックできて、非常に投資を始めやすいと言えます。

とにかく使いやすさやサポートなどが優秀で「安心して使える」証券会社を探している方に最適!迷ったらまずは「SBI証券」です。

SBI証券

2.楽天証券

楽天証券は、楽天系のサービスユーザーにおすすめの大手ネット証券です。

楽天証券で積立投資を行うメリット
  • 楽天ポイントとの連携でお得なポイントサービスあり
  • 小額からの投資信託が可能

楽天証券は、共通ポイント「楽天ポイント」と連携したサービスが用意されており、楽天経済圏の方にとってメリットがあるサービス内容となっているのが特徴です。

楽天ポイントを活用して投資信託を始めることも可能ですので、現金を使わずにまずはポイントでお試ししてみたい方にもぴったりです。

楽天証券

3.マネックス証券

マネックス証券は、取扱商品が豊富で人気のネット証券です。

マネックス証券で積立投資を行うメリット
  • 毎日100円~積立投資可能
  • マネックスポイントが貯まる

月々だけではなく「毎日」コツコツ投資も選べる自由度の高さが魅力

マネックス証券の大きな魅力は「毎日コツコツ」の積み立て方法も選べる点です。

他のネット証券でも大手ならこのサービスを取り扱っていますが、マネックス証券は公式で「メリット」として掲げており、このサービスに力を入れています。
100円から毎日コツコツ積み立てるのは、月に一回まとめて積み立てを行うよりもお小遣いを貯める感覚でできるため、ハードルが低くなって取り組みやすいと言えますね。

月々ではなく、毎日分散投資することで、よりリスクを分散して積立投資を行える証券会社です。

マネックス証券

まとめ

積立投資は初心者でも取り組みやすく、市場を細かくチェックしなくても自動で投資を行ってくれる便利なサービスです。

目標を持ち、実際に積立投資を行う際は、必ず「シミュレーション」を行ってみるのがおすすめ。目標達成までの道のりが見える化されて、モチベーションアップにもつながります。

実際にシミュレーションをしてみた後は、まずはコツコツ100円から、お小遣い感覚での積み立ても可能ですので、ぜひ気になる証券会社で口座開設を行い、チャレンジしてみてくださいね。

※ライター:井上美有

渡辺 広康

渡辺 広康公認会計士・税理士

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【監修者】在学中に公認会計士資格を取得。金融機関等へのコンサルティング業務を経験し、M&Aや会計コンサルティング業務、投資・資産運用に対するアドバイザリー業務を行っている。

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