PayPay証券に直撃取材!独自路線の先にある「PayPay経済圏」とは

2021年2月1日に誕生したPayPay証券。前身であるOne Tap BUYからの流れを引き継ぎ、投資初心者が気軽に使える投資サービスを提供しています。

「1,000円から株が買える」「株価チャートがない」といった独特の使いやすさが人気で、社名変更以降ユーザー数が大きく増加。今後のサービス拡充にも期待が高まっているところです。

PayPay証券のサービスはどんなコンセプトで作られ、今後どのような展開をする予定なのでしょうか?PayPayとの連携は!?

PayPay証券株式会社 プロダクトサービス部 坂野 俊一氏、マーケティング部 松下 英明氏に伺いました。

「簡単」「分かりやすい」を追求したPayPay証券

ーまずはPayPay証券のサービスについて教えてください。

坂野:PayPay証券は、投資に対する専門知識がない方でも気軽に投資を楽しめるようなサービスです。

投資初心者にとって株式投資はわかりにくく、ギャンブルのようなイメージを持たれている方もいるかもしれません。ならば「とても簡単に株式取引できるサービスを作ったらいいのでは?」という、One Tap BUY創業時の想いを受け継いで運営しております。

ーサービスの考案や制作は、社内で行っているのでしょうか?

坂野:そうですね。システム開発も自社で行っているので、新しいサービスのリリースや新機能アップデートが早いのもPayPay証券の特徴です。2016年のサービス提供開始以降、毎年のように新しいリリースを行っています。

サービスを毎年リリース

2016年:「米国株」
2017年:「自動積立 積み株」、「日本株」
2018年:「10倍CFD」「誰でもIPO」
2019年:「つみたてロボ貯蓄(積み株のリニューアル)」「日本株CFD」
2020年:「ボーナス運用」
※ボーナス運用では、2020年グッドデザイン賞を受賞

参照:これまでのあゆみ(PayPay証券)

ー日本株・米国株だけでなく、CFDも扱っている理由は何でしょうか?

基本的には「誰でも気軽に投資ができる」という観点からサービスを作ってきましたので、次にユーザーが何をしたいか検討したときに、CFD取引かなと。CFD取引は比較的リスクが高い取引なので、レバレッジを限定した上で少額から取引できるようにしています。

通常の少額投資では信用取引ができませんが、PayPay証券の日本株CFDなら、日本株取引に「売り」から入れるのがメリットです。

ー松下さんは今年からPayPay証券にジョインされたと伺いました。松下さんから見て、PayPay証券はどんな良さがありますか?

松下:まずは、1,000円単位で取引できる点だと思います。通常の株式投資では、例えば買い付けた時の額を1円単位で覚えておかなければなりません。米国株に至っては小数点以下の為替レートまで留意したりしなければいけません。

しかしPayPay証券なら分かりやすい金額で取引・管理できるので、私も1ユーザーとして利便性を感じながら取引していました。

また投資初心者には、「どの銘柄を選んだらいいのか分からない」という悩みや不安があると思います。そこでPayPay証券では、身近な会社やブランドを中心に、取引銘柄を厳選しています。より分かりやすく投資が楽しめるのではないでしょうか。

ユーザーの声をスピーディーに反映、アップデートを重ねる

ーPayPay証券のスマホアプリは、とにかく分かりやすいのが特徴です。この分かりやすさの秘密は何でしょうか?

松下:PayPay証券では比較的高い頻度でユーザーインタビューを行い、初心者目線やユーザー視点などを活かしたプロダクト作りやサービスの提供に活かすようにしています。また社員も金融業界出身者だけでなく、バックグラウンドが多様なので、他の証券会社とは違った環境であることも関係しているかもしれません。

坂野:またユーザーの声を参考に、機能アップデートを随時行っています。2021年4月9日には、「日米株」アプリの機能アップデートを実施しました。今まで銘柄があまり多くなかったのですが、ユーザーのリクエストに応じて銘柄を随時追加していたら、一覧しにくくなって(笑)。

今回のアップデートで、銘柄を絞る「テーマ」を12種類に増加し、銘柄について特集する「ピックアップ」タブを付けました。

ちなみに日米株アプリでは、企業ロゴを表示させるため、2015年11月に特許を取得しています。ロゴが出た方が選びやすいですよね。

↑「テーマ」が3種類追加されて計12種類に。「ピックアップ」も追加された

ーちょっとマニアックな質問なのですが、株が1,000円単位で取引できるしくみはどう構築されているのでしょうか?

坂野:PayPay証券が自社で株を仕入れ、ユーザーに対して相対取引を行っています。例えばユーザーがAmazon株を1,000円分購入したら、PayPay証券の持っている株から1,000円分だけをユーザーの口座に移すのです。

PayPay証券の保有する株がなくなったら取引ができなくなってしまうので、裏側でカバー取引を行い、常に安定して株をユーザーに供給できるようにしています。裏側のしくみは相当複雑ですけどね。

「ユーザーが本当に求める機能は何か?」から来るプロダクトデザイン


ーPayPay証券にはチャート機能がありませんが、機能追加する予定はありますか?

坂野:ないですね。

ーないんですか!?

坂野:通常の証券会社で見られるようなローソク足チャートは、現時点で追加する予定はありません。そもそも初心者に分かりやすく株を買ってもらいたいので、分かりにくいチャートは不要だと思うんですよね。

ただ実は、終値ベースの折れ線グラフは隠れています(笑)。個別銘柄にあるインフォメーションボタンを押していただき、「現在の保有状況」をタップしてスマホを横向けに傾けると、折れ線グラフが出てくるんです。あとは外部サイトのチャートなら、「企業情報・チャート」から閲覧できます。

ー出てきました……!

松下:PayPay証券では、たびたび部門横断でサービス改善について議論し、「どうしたら他社よりも分かりやすく簡単なサービスにできるか」を追求しています。また自社で内製できるので、何か決まったテンプレートや規則がない点も、UI/UXの分かりやすさに繋がっているかもしれません。

坂野:現在マーケティング部とプロダクトサービス部が協働して、アプリのコンテンツやデザインを設計しています。細かくユーザー像を設定して、カスタマージャーニーやユーザーマップを作り、「このユーザーがほしい機能は何だろう?」と討議していますが、証券会社らしくないですよね(笑)。

目指すは「PayPay経済圏」の構築。今後のリリースにも期待


ー今後の展望について伺います。近い将来、PayPayと連携される予定はあるのでしょうか?

松下:すでに提供している「ボーナス運用」は、PayPayが提供する「PayPayボーナス」を、PayPay証券が提供する独自のポイントに交換し、疑似的な運用が体験できるサービスとして多くの方にご利用いただき、サービス提供開始から約1年で300万運用者を突破しております(2021年4月5日時点)。

今後、PayPayとの連携をさらに強化した、生活シーンと金融事業を統合した新たなサービスを提供予定です。

ーそれは大注目ですね!!

松下:あわせて投資信託の扱いもスタートする予定ですので、ぜひ今後ともPayPay証券をご利用いただけたら嬉しいです。

ー今後、PayPay証券が描いている将来像を教えてください。

松下:近い将来、「PayPay経済圏」を作りたいと考えています。PayPayやボーナス運用のユーザーが、PayPay証券で投資してお金を増やし、そのお金で買い物して……というエコシステムの一翼を担いたいですね。

松下:PayPayのユーザー数は、2021年1月4日時点で3,500万人を突破しました。これは、東京・埼玉・千葉・神奈川の総人口、つまり日本人口の約3割に匹敵します。これだけ多くのユーザーが、日々何かしらの用事でPayPayにアクセスしているわけです。

そのユーザーがPayPay証券のサービスにも日常的にアクセスするようになったら、投資がより身近なアクションになると思います。PayPayとの連携強化により、さらに便利にPayPay証券を使っていただけるようにしたいです。

ー最後に、MoneyCourt読者に向けてメッセージをお願いいただけますか?

松下:PayPay証券は、投資への不安やハードルをできるだけ払拭して、気軽に投資をはじめていただくことで毎日の生活が少しでも豊かになるよう、お手伝いしたいと思っています。常に機能やデザインをアップデートし、さまざまなユーザーに寄り添えるサービスを提供していきますので、ぜひ今後のPayPay証券にご期待ください。

▼▼PayPay証券の公式サイトはこちら▼▼
PayPay証券

※ライター:金指 歩

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渡辺 広康

渡辺 広康公認会計士・税理士

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【監修者】在学中に公認会計士資格を取得。金融機関等へのコンサルティング業務を経験し、M&Aや会計コンサルティング業務、投資・資産運用に対するアドバイザリー業務を行っている。

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