近年、日本人投資家がアメリカ株に投資するケースがよく見られるようになり、アメリカ株投資に興味を持っている人が増えています。
しかしアメリカ株投資に興味はあるものの、よく分からないと感じている方も多いのではないでしょうか?
実はアメリカ株には、長期で安定配当をもらえる「配当貴族」と呼ばれる銘柄が多くあるんです。
そこで今回は、株価や配当が比較的安定していて不況にも強いといわれる、代表的なアメリカ株の個別企業銘柄5社を紹介します。
この記事を読めば、まさに今購入したいアメリカ株が見つかりますよ!
ぜひ最後まで目を通してくださいね。
1.25年以上増配を続けるおすすめのアメリカ株5選
配当貴族とは、長期的に配当を増やし続けている企業のことです。
中でも、アメリカ市場の代表的な指数「S&P500」の構成銘柄のうち、25年以上連続増配している銘柄群は「配当貴族指数」と呼ばれ、投資家から人気が高くなっています。
そんな配当貴族の中から、おすすめしたい優良企業を5つ紹介します。
銘柄の概要や、選んだ理由を解説していきましょう。
(1)コカ・コーラ【KO】
コカ・コーラは誰もが知っている炭酸飲料ですが、その親会社は世界最大のノンアルコール飲料企業です。
世界一の投資家とも呼ばれる、ウォーレン・バフェットが長年保有している「バフェット銘柄」にも入っています。
バフェットは長期保有を前提とした投資スタイルを実践しており、そのバフェットが保有している安定配当銘柄ということで、選定しました。
現在、新型コロナウィルス感染症の影響で、アメリカや世界経済は落ち込んでいます。
しかしコカ・コーラ社の2020年9月期の四半期決算は、前年同月比-2.7%と減少したものの、パンデミックという特殊な環境下において、28億ドルもの営業キャッシュフローを出し続けています。
なぜ経営が安定しているのか、その理由はビジネスモデルにあります。
コーラの原料は1缶約20円~30円と言われており、利益率が高いビジネスになっているからです。
景気の波に左右されながらも、利益を出し続けてきた抜群の安定感を持つ会社の株式、購入してみたくなりますよね。
種類 | 内容 |
ティッカー | KO |
増配年数 | 58年 |
株価 | $49.62 |
配当 | $1.64 |
配当利回り | 3.27% |
(※2020年10月20日時点のデータを元に記載。以下も同じ)
(2)マクドナルド【MCD】
マクドナルドは、世界展開するファーストフードチェーン店の代表格です。
コロナ禍において全体の売上高は減少したものの、実はドライブスルーの売上高が増加しており、2020年10月16日には過去最高株価231.88ドルを記録しました。
そんなマクドナルドには、他社と大きく異なる点があります。
それは、フランチャイズ店舗に経営ノウハウを提供の代わりに、ロイヤリティに加えて賃貸料も徴収していることです。
つまりマクドナルドは、飲食業と不動産業を両立させているビジネスモデルを展開しています。
有形固定資産の比率が高くなるので、安定した経営基盤を築いているのです。
種類 | 内容 |
ティッカー | MCD |
増配年数 | 44年 |
株価 | $226 |
配当 | $5.16 |
配当利回り | 2.24% |
(3)プロクター・アンド・ギャンブル【PG】
プロクター・アンド・ギャンブルと聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、「P&G」と聞けば、あの有名な会社が思い浮かぶのではないでしょうか。
P&Gは「パンテーン」や「アリエール」など、多くの方が知っている日用品を展開しています。
この会社は、不況下に強い生活必需品を販売する世界最大の一般消費財メーカーであると同時に、アメリカ株の代表的なディフェンシブ銘柄です。
マーケティング業界でもP&Gはとても優秀な企業として知られており、そのブランド戦略はブランディングの授業としても取り上げられるほど。
圧倒的なマーケティング力によって、商品の認知度とブランドの好感度を上げつつ、顧客が求めていた課題を解決する商品を提案し続けています。
こうした経営戦略によって、P&Gは現在まで半世紀以上連続で増配を記録しているのです。
種類 | 内容 |
ティッカー | PG |
増配年数 | 64年 |
株価 | $141.91 |
配当 | $3.16 |
配当利回り | 2.19% |
(4)ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】
アメリカ株の中で特にディフェンシブなヘルスケア企業を選ぶとしたら、間違いなくランクインするのが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)です。
なぜならヘルスケア分野で、半世紀以上も安定して配当を出し続けている唯一の会社だからです。
J&Jは、新型コロナウイルスなどのワクチン開発や、その他の新薬開発にも携わっています。
新薬開発には失敗がつきものですが、もし1つの開発が失敗した場合でも、J&Jの株価への影響は限定的だと考えられます。
世界60カ国、約250社に分社化されており、リスクヘッジを万全に行っているからです。
ビジネスが安定しているため、長期的に安定した成長性が期待できるでしょう。
種類 | 内容 |
ティッカー | JNJ |
増配年数 | 58年 |
株価 | $144.32 |
配当 | $4.04 |
配当利回り | 2.72% |
(5)AT&T【T】
AT&Tは電話や通信、有料テレビなどアメリカを代表する大手通信会社です。
現在、世界中で次世代通信規格「5G」社会到来の準備が進められており、もちろんAT&Tも関わっています。
インフラ分野は爆発的な成長はないものの、人々の生活に欠かすことが出来ない事業のため、経営基盤が比較的安定しています。
AT&Tも永続的で安定したキャッシュフローが見込まれるため、リスク回避したい投資家に好まれています。
コロナ禍でも、AT&Tの経営陣が配当に対してコミットメントしているので、引き続き安定した配当が期待できるでしょう。
種類 | 内容 |
ティッカー | T |
増配年数 | 36年 |
株価 | $26.88 |
配当 | $2.08 |
配当利回り | 7.61% |
2.アメリカ株を運用する前に知っておきたいこと
大きな魅力のある配当貴族の株を買う前に、知っておくといいことが2つあります。
これらの内容をおさえた上で、アメリカ株を購入してみてくださいね!
(1)アメリカ株は1株から購入・売却できる!
アメリカ株は、1株から購入・売却することができます。
日本株は基本的に100株単位で売買するので、アメリカ株の方が金銭的なハードルは低めでしょう。
現在アメリカ市場では、コロナ禍でも成長を続ける企業が存在感を増しています。
これからの成長が期待できる世界的な企業を1株から購入し、長期的な資産形成に役立ててはどうでしょうか。
(2)アメリカ株の配当金には、二重に税金がかかる!?
日本の投資家がアメリカ株を取引をした場合、「日米租税条約」というルールが適用され、米国株の売却益と配当金に対して税金がかかります。
売却益に対しては、日本国内で20.315%の課税が発生します。
一方で配当金に対しては、日本国内で発生する課税20.315%に加えて、アメリカ国内の連邦法人所得税10%も発生します。
配当金に日本とアメリカの2国で「二重課税」される場合、確定申告の際に「外国税額控除」を行えば、二重課税を回避することが可能です。
該当する場合はぜひ活用しましょう!
まとめ
今回は、長期投資におすすすめしたい配当貴族のアメリカ株を5つ紹介しました。
これまで経済の荒波を乗り越えてきた株ばかりなので、今後の配当にも期待が持てる銘柄ばかりです。
気になる株があったら購入して、あなたのポートフォリオを充実させてくださいね。