「株主優待がお得だとよく聞くけれど、実際どういう制度なのかな?」
「権利確定日ってどういう意味なんだろう…」
株主優待に興味はあるけれど、具体的に何をすればいいかわからない方が多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では株主優待を検討している方に向けて、株主優待がどういう制度なのか、株主優待をもらうためには具体的に何をすればいいのかなどを解説します。
最後まで読めば、株主優待を検討する際の注意すべきポイントもわかりますよ!
また、各企業の株主優待については、「株主優待カテゴリー」で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
1.株主優待とは
株主優待とは、企業が株主に対して自社の製品やサービスをプレゼントする制度です。
現在、日本で株主優待を用意している上場企業は、2019年10月末時点で1,536件もあります(野村インベスター・リレーションズ調べ)。
小売・外食といったサービス業では、個人投資家=お客様になることもあるため、PR活動の一環として自社の製品を株主優待に活用する企業が多いです。
そのほかに、金券や地方の特産品などを配るケースも見られます。
また、企業によっては保有する株式数によって優待の内容や量が違うことや、保有数が多いほどより多くの優待が受けられることもあるんです。
(1)株主優待の事例
株主優待についてわかったところで、ここでは実際にどんな株主優待があるか見ていきましょう。
たとえば、キリンホールディングス(2503)は、「自社商品詰め合わせセット」や「食事券」などから選ぶことができます。
必要株数 | 優待内容 |
100株以上 |
以下より1点を選択
|
1,000株以上 |
以下より1点を選択
|
最近では株主優待の種類も増えており、他で買うことができない株主限定商品がもらえたり、株主向けのイベントが開催されたりすることもあります。
株主優待はどうすればもらえるのでしょうか?
まずは、株主優待をもらう上で、理解しておくべきルールについて見ていきましょう。
2.権利付最終日・権利落ち日・権利確定日の3つがポイント!
株主優待をもらうために、株主優待に関わるルールについて詳しくご説明します。
単純に必要株式数を保有しているだけでは、株主優待をもらえないからです。
ここでは、株主優待に関わる3つの期日についてご説明します。
用語 | 意味 |
権利付最終日 |
配当金や株主優待などの株主の権利を得られる最終取引日であり、権利確定日の2営業日前のことを指します。 優待をもらうためには、この日までに株式を買っている必要があります。 |
権利落ち日 | 株式を買い付けても株主の権利を得られない日であり、権利付最終日の翌営業日のことを指します。 |
権利確定日 |
各企業が定める決算期末日や株主名簿を確定する日であり、この日に優待を受け取る権利が決まります。 権利付最終日までに購入した株主に優待を受ける権利が与えられます。 |
以下は、権利確定日が31日(月)の場合の例になります。
27日(木) | 28日(金) | 29日(土) | 30日(日) | 31日(月) |
権利付最終日 | 権利落ち日 | (非営業日) | (非営業日) | 権利確定日 |
つまり、権利付最終日(例:27日)の時点で対象株式を保有していれば、権利落ち日以降(例:28日以降)にその株式を売却したとしても株主の権利を取得できるため、株主優待を受け取れます。
株主優待をもらうには、権利付最終日がいつなのか、しっかりと把握しておくことが大切です。
3.株主優待で注意すべき6つのポイント
権利付最終日の大切さが分かったところで、株主優待で注意すべき点についてご説明します。
注意すべき点は以下の6つです。
順にご説明していきます。
(1)投資先として適切か
株主優待だけを目当てに投資をするのではなく、その企業が投資先として適切かどうかは注意する必要があります。
企業の業績が悪化すれば、株主優待の内容を縮小または中止する可能性もあるからです。
そういった状況では株価も下落することが多いため、ただ単に株主優待を受け取れないだけでなく、元本割れのリスクを負うことになります。
また、株主優待目当てで買っている人が多い銘柄の場合、同業他社と比較して株価が割高になっているケースもあります。
「株主優待が豪華だから」といった理由だけで投資判断をするのではなく、しっかりとその企業の事業内容や財務状況を調べるようにしましょう。
(2)株式を購入するタイミングを見計らう
元本割れを避けたい場合は、株式を購入するタイミングにも注意する必要があります。
権利付最終日が近づくにつれて株価は上昇し、権利落ち日には株価が下降する傾向があるからです。
これらは権利獲得を目的とした投資家が株を購入し、権利が確定した後には株を売却することで起こります。
そのため、株主優待を狙っている銘柄は、株価を早めにチェックしておき、なるべく安値のタイミングで購入するといいでしょう。
(3)権利付最終日に保有できているか
株主優待は、権利付最終日の取引が終了した時点で、必要株数を保有している必要があります。
権利付最終日がいつなのか、対象の株式を保有できているかしっかりと把握しておきましょう。
(4)必要株式数や必要保有年数の確認
株式を購入する前に、株主優待をもらう上での必要株式数・必要保有年数の2点は必ず確認しておきましょう。
優待内容は株式保有数・保有年数に応じて変わるケースが多いからです。
上場企業が発表するすべての情報がのっている「適時開示情報閲覧サービス」で検索すれば、優待の新設や変更などの優待に関する最新のお知らせがわかります。
購入する前はもちろん、購入後もこういったサービスを活用して情報をチェックしていくのがおすすめです。
購入前に最新の株主優待情報を確認しておくといいでしょう。
(5)無理なく購入できる金額か
対象の銘柄が無理なく購入できる金額かどうかも確認しておきましょう。
優待の対象となる最低株式保有数は100~1,000株程度が多く、銘柄によっては100株買うのに100万円掛かるものもあるからです。
初心者の場合は、100株あたり10~20万円程度で買える銘柄を選ぶのがおすすめです。
(6)優待券は使いたいものから選ぶ
飲食店や旅行などで使える株主優待券は、自分自身が使いたい、もしくは使う機会があるものを選びましょう。
優待券は有効期限があり、使うことなく失効してしまえば当然メリットを得られないからです。
また、ネット上やチケットショップで売却しようとしてもかなり割引されてしまいます。
自分で使う以外にはメリットを得られないことが多いため、本当に自分で使いたいと思う優待銘柄を選ぶことが大切です。
まとめ
これまで、株主優待をもらうためにはいくつかのルールや注意すべきポイントがあることをご説明しました。
優待の内容は多様化しており、優待でしか受け取れない貴重な製品もあります。
株式投資をするときには、優待情報も事前に調べておき、賢く優待制度を活用していきましょう。