楽天証券株式会社は12月11日、12月末よりクラウドファンディングサービスの提供開始を予定していることを明らかにしました。
ミュージックセキュリティーズ株式会社は、2000年12月創業で1口数万円という少額から出資できるインパクト投資プラットフォーム「セキュリテ」を運営しています。
この「セキュリテ」のファンドを、楽天証券を通じて募集し、楽天証券のウェブサイト内で募集内容の確認や出資が可能になる見通しです(実際に出資する際には別途、「セキュリテ」の口座開設が必要です)。
楽天証券は1999年3月に日本初のネット専業証券会社として設立して以来、独自のトレーディングツール「MARKETSPEED」やスマートフォン専用トレーディングアプリ「iSPEED」を展開。
初心者向けにも「楽ラップ」というロボアドバイザーサービスの提供や楽天ポイントを使って投資信託や国内株式を購入できる「ポイント投資」など、多くの顧客ニーズに応えてきました。
一方のミュージックセキュリティーズ社は、クラウドファンディングを通して経済的なリターンを求めるだけでなく、中小企業支援による地方創生や環境問題の解決、震災復興など、地域が抱えるあらゆる社会課題の解決を出資を通じて解決するというコンセプトを大事にしています。
今回のクラウドファンディングサービスの提供について、楽天証券は「個人投資家のお客様が、投資活動により社会に貢献できる機会を増やせるよう、商品ラインアップの拡充を行う」としています。
すでにネット証券では、業界最大手のSBI証券を擁するSBIホールディングスの子会社SBI CapitalBaseが2019年末に「GEMSEE(ジェムシー)」という株式投資型クラウドファンディングサイトを立ち上げており、auカブコム証券は2020年4月に貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を運用するファンズ株式会社へ資本参加を公表。
また、マネックス証券も2019年6月にクラウドファンディング大手「READYFOR」と業務提携し、クラウドファンディングサービス「Readyfor」が行う「Readyfor緊急災害支援プログラム」にマネックスポイントで寄付できるサービスを提供しています。
ネット証券がクラウドファンディングとの提携を進める理由の一つに、各社がしのぎを削って展開した手数料の引き下げ競争による収益構造の変化があります。
株式の手数料を大幅に引き下げたことにより、株式の売買手数料や投資信託の販売手数料など、これまで提供してきた既存のサービスだけでは従来のような収益が見込めなくなりました。
一方でクラウドファンディングはここ数年で大きな成長を遂げ、4年で市場規模が10倍近くまで拡大したとも言われています。
こうした個人マネーの受け皿としてクラウドファンディングが成長していくことを見越して、多くのネット証券はクラウドファンディングとの提携を進めているのです。
参考:
楽天証券、クラウドファンディングサービス提供開始のお知らせ(楽天証券)
楽天証券、クラウドファンディングサービス提供開始のお知らせ(PR TIMES)
【楽天ポイント運用・ポイント投資は違う?】