日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」が、2021年5月28日にサービスを開始しました。
みんなの銀行はスマートフォンで利用する新しいタイプの銀行で、福岡銀行を中核とする「ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)」の子会社として設立されています。
キャッチフレーズは「お金のSNS」。
既存の銀行サービスをオンライン化した「ネット銀行」ではなく、デジタルネイティブ世代をターゲットに、ゼロからサービスを構築・提供しているのが大きな特徴です。
さっそく筆者も口座開設をしてみたのですが、約10分で口座開設が完了しました。従来ではあり得ない早さですよね。
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- セブン銀行で利用可能、みんなの銀行の口座同士なら振込手数料0円
- 今後サービス追加予定あり
- 友人紹介で1,000円もらえるキャンペーン実施中!
気になる最新情報をお伝えします。
「みんなの銀行」のサービスは?口座内に「Box」を作成可能
(画像出典:みんなの銀行)
みんなの銀行では、現在のところ4種類のサービスが提供されています。
[みんなの銀行 サービス内容]
サービス | 内容 |
---|---|
Wallet(普通預金) | スマートフォン経由で、全国のセブン銀行ATMから入出金可能 |
Box(貯蓄預金) | 貯蓄用の仮想口座(最大20個)を作成可能 |
Debit Card | スマートフォンのApple PayやGoogle Payに登録して利用 利用時に0.2%のキャッシュバックあり |
Record | 他金融機関・電子マネーを含めた残高・明細の一元管理 (マネーフォワードと業務提携) |
「Wallet(普通預金)」にはPayPayなどの電子マネーにもある、QRコードでのユーザー間送金機能があります。ユーザー間での送金手数料は無料です。
注目すべきは「Box」。
口座内に仮想口座(Box)を20個まで作れるのは、他行にない機能です。
各Boxに目的や目標金額・日付を設定できるほか、Box間の振替スケジュールも決められるので、口座内で予算の自動振り分けが可能になります。
「Box1は普段使い用、Box2は貯蓄用、Box3はへそくり用」など、口座を使い分けが簡単に行えますよ。
また上記サービスに加え、オプションの有料サブスクリプションサービス「Premium」があります。
利用料は月600円ですが、無料トライアル期間として現在、1年間無料での利用が可能です。
- Cover(自動立替)・・・月5万円まで
- 他行への振込手数料・・・月10回まで無料(通常は200円/回)
- ATM出金手数料・・・月15回まで無料(通常は110円/回)
- Debit Cardキャッシュバック率・・・1%(通常0.2%)
- その他・・・Record連携先データの一括更新
「Cover」は利用に際し審査があります。不要なら使わない選択肢もあり、口座を使う目的に応じ柔軟に対応できます。
なお普通預金金利や、ATM利用手数料などのスペックは次の通り。
預金金利は通常の銀行とほぼ変わりありませんが、注目したいのはATM利用手数料。セブン銀行での入金は金額問わず0円です。
また振込手数料も、みんなの銀行の口座宛てなら、完全無料。
今後利用者が増えてくるほど、便利になっていくサービスになると予想されます。
【預金金利】
預金の種類 | 預金金利(年利・税引前) |
---|---|
普通預金 | 0.001% |
貯蓄預金 | 0.001% |
【ATM利用手数料(セブン銀行で利用可能)】
ユーザー種別 | 入金 | 出金(税込) |
---|---|---|
通常 | 無料 | 110円/回 |
プレミアム会員 | 月15回まで無料 (その後は110円/回) |
【振込手数料(国内)】
ユーザー種別 | 「みんなの銀行」の口座宛て | その他の銀行口座宛て(税込) |
---|---|---|
通常 | 無料 | 200円/回 |
プレミアム会員 | 月10回まで無料 その後は200円/回 |
口座開設の手続きはオンライン「約10分」で完了
口座開設はスマートフォンアプリから、約10分で終わります。24時間365日手続き可能です。
[口座の開設手順]
- アプリをダウンロード・起動
- 基本情報入力
- 本人確認書類アップロード(マイナンバーカード、運転免許証ほか)
- 本人確認ビデオ認証
- ログイン設定
2021年6月4日現在、「本人確認ビデオ認証」が混み合っており、多少の待ち時間が発生します。
よって込み具合によっては10分で手続きが完了しないかもしれません。
しかし情報の入力項目は最低限に抑えられているので、入力するというより「タップしている」感覚で、スピーディーに手続きが終わります。
みんなの銀行は「銀行窓口に行きたくない方向け」
みんなの銀行の設立準備は、2017年から始まりました。その後2019年8月に「みんなの銀行設立準備株式会社」が開業し、本格的な準備が開始されています。
ふくおかフィナンシャルグループ傘下の福岡銀行では、来店客数が10年で30%減少、コロナ禍でさらに10%減少していました。
それに対し、インターネットバンキングのユーザーは10年で2.4倍に増加していたのです。
このような「銀行窓口に行きたくないけど銀行のサービスは利用したい」利用者の行動変容に沿ったサービスとして、みんなの銀行は生まれました。
(画像出典:ふくおかフィナンシャルグループ)
システム面・企画面の両方でアクセンチュアと協業し、全国の若年層ユーザーに向けた日本初のデジタルバンクとしてサービス展開されています。
今後ビジネス面では、海外のデジタルバンクでも展開されているBaaS(APIを通じた銀行サービス)の提供も予定されています。
【紹介特典】みんなの銀行を広めるなら今!1人紹介で1,000円もらえる
みんなの銀行は果たして利用する価値があるのでしょうか?
現時点ではサービスが少ないので、正直なところヘビーユースするかどうかは未知数だと感じます。
しかし今、口座開設する理由があります。
それは公式に実施されている「友人紹介キャンペーン」です。
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この1,000円はなんと最短翌日に振り込まれるというから驚きです!
最大300人まで紹介できますので、最大報酬は30万円!紹介する方が多いほどお得になります。
キャンペーン実施期間は未定ですので、お早めに紹介してみてくださいね。
今後の「みんなの銀行」に乞うご期待!
マイナス金利政策の影響で収益が伸び悩み、人口減少や都市との経済格差が広がるなど、地銀の経営状況は日々厳しさを増しています。
今までも経営統合や異業種参入など、様々な自助努力がなされてきました。
しかし地銀の異業種参入では、経営状態の良好な地銀でも新たに展開したビジネスモデルが破綻するなど、道のりは順調ではありません。
また経営統合に際しては、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)でも以前に問題がありました。
FFG傘下の「十八銀行」と「親和銀行」の合併時、地元・長崎県内で融資シェアのバランスが高くなりすぎる懸念から、統合が予想以上に難航したのです。
このような逆風の中でサービスが始まった「みんなの銀行」。
今はまだサービスが多くありませんが、「お金のSNS」と謳っているように、利用者が増えれば触れるほど一大ムーブメントを巻き起こす可能性はあると思います。
全国のデジタルネイティブ世代をターゲットとする新サービスで、以前からの問題をクリアするビジネスモデルの成功例となるでしょうか。
今後の展開に期待ですね。
≪参考リンク≫「国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」 お客さま向けサービス提供開始のお知らせ」(みんなの銀行公式サイト)
≪参考リンク≫「みんなの銀行 公式note」
≪参考リンク≫「みんなの銀行と業務提携」(マネーフォワード公式サイト)
※ライター:鳥飼千愛