「ETFって銘柄がいっぱいあるけど、結局どれを選べばいいのだろう?」
「ETFを購入する際におすすめの証券会社ってある?」
このようにお考えではありませんか?
この記事では、ETFのおすすめ銘柄とETFを購入する際におすすめの証券会社を紹介します。
記事の最後の方では、ETFに投資をするメリット・デメリットについても紹介します。
ぜひ最後まで読んで、ETFでの投資を始めてみましょう!
1. ETFとは
ETFのおすすめ銘柄やおすすめの証券会社を紹介する前に、まずはETFについて簡単に説明します。
(1)ETFの概要
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略称で、日本では「上場投資信託」と呼ばれています。
このETFは、証券取引所に上場しており、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、NYダウなどの代表的な指数に連動する運用成果を目指す投資信託です。
このETFが連動を目指す日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、NYダウなどの指数は、複数の銘柄によって構成されているので、ETFの投資対象も複数の銘柄となります。
また、ETFは証券取引所に上場しているので、株式取引のように市場の取引時間において、相場の値動きを見ながらいつでも売買できます。
(2)ETFの種類
日本で取引可能なETFの種類は、大きく分けて2種類あります。
- 国内ETF:国内の銘柄で構成されたETFのこと
- 海外ETF:海外の銘柄で構成されたETFのこと
国内ETFは全国の証券会社で取引が可能です。
海外ETFについては、国内の証券取引所にいくつか上場しており、特定の証券会社で売買取引が可能となっています。
(3)ETFと投資信託の違い
ETFと通常の投資信託の大きな違いは、上場か非上場かの違いです。
ETF | 証券取引所に上場しており、株式投資のように証券会社を通じて、証券取引所で売買するものです。 |
---|---|
投資信託 | 証券取引所に上場しておらず、証券会社や銀行などの金融機関の窓口で購入するものです。 |
そのため、ETFは、株式投資のようにリアルタイムで市場の価格を見ながら取引ができます。
株式取引と同様に自分の希望する価格で売買取引を行いたい方にETFはおすすめです。
一方の投資信託は、1日1回の基準価額をもとに取引します。
そのため、リアルタイムでの取引に慣れていない方には、投資信託の方がおすすめです。
2. 初心者におすすめのETF銘柄4選
この章では、投資初心者におすすめの4銘柄を紹介します。
初心者は、まずは少額で投資を始めることをおすすめします。
なぜなら、まずはETFでの投資に慣れる必要があり、大きな金額での勝負を避けた方が賢明だからです。
ETFの中には「上場インデックスファンドTOPIX(1308)」のように、購入単位が100口となっており、必要資金が10万円以上必要なものがあります(2020年11月20日時点の株価は1,774円)。
そのため、一口から購入でき、一口1,000円台~3,000円台で購入可能な以下の銘柄をおすすめします。
それでは、それぞれ詳しい内容について説明します。
(1)上場インデックスファンド日経225(ミニ)(1578)
「上場インデックスファンド日経225(ミニ)(1578)」は、日本の株式市場の代表的な株価指標の一つである「日経平均株価(日経225)」との連動を目指すETFです。
日経平均株価は、東京証券取引所第一部上場銘柄のうち株式市場を代表する225銘柄を対象に算出されるものです。
この日経平均に連動するETFは現在8種類存在するのですが、そのうち7種類は1万円代となっております。
しかし、この銘柄の現在の株価は2,042円です。(2020年11月20日時点)
信託報酬が他の日経平均ETFよりも少し高めですが、10口買っても2万円程度で済むので、投資初心者におすすめの銘柄といえます。
(2)iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476)
「iシェアーズ・コア J リート ETF(1476)」は、日本の不動産投信(J-REIT)市場全体の値動きを表す代表的な株価指数である「東証REIT指数」との連動を目指すETFです。
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している不動産投信(J-REIT)全銘柄を対象とした指数です。
Jリートの個別銘柄は安くても5万円代、30万~60万円のETFの銘柄が多いため、全銘柄に分散投資が行える「iシェアーズ・コア J リート ETF(1476)」はかなり低リスクといえます。
この銘柄の現在の株価は1,724円です。(2020年11月20日時点)
さらに信託報酬も最安なので、非常にコストパフォーマンスの良い銘柄になっています。
(3)iシェアーズ・コア TOPIX ETF(1475)
「iシェアーズ・コア TOPIX ETF(1475)」は、日本の株式市場全体の値動きを表す代表的な株価指数である「TOPIX(東証株価指数)」との連動を目指すETFです。
TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所第一部に上場する国内株の「全銘柄」を対象とした指数になります。
世界最大手のETF運用会社「ブラックロック」が運用している銘柄で、TOPIX(東証株価指数)への連動を目指すETFの中でも、1,000円台で購入できるのは、この銘柄のみとなっています。
この銘柄の現在の株価は1,767円です。(2020年11月20日時点)
信託報酬も最安となっており上記で紹介した「iシェアーズ・コア Jリート ETF」と同様に、非常にコストパフォーマンスの良い銘柄となっています。
(4)マザーズ・コア上場投信(1563)
「マザーズ・コア上場投信(1563)」は、東証マザーズ上場銘柄を代表する15銘柄の値動きを表す「東証マザーズCore指数」との連動を目指すETFです。
具体的な投資先としては、ラクスやそーせいグループ、ユナイテッドなどが挙げられます。
値動きが激しいマザーズ銘柄に分散投資できる唯一の銘柄なので、マザーズに興味のある方に特におすすめです。
この銘柄の現在の株価は3,540円です。(2020年11月20日時点)
信託報酬もやや高めではありますが、値動きが激しくリターンも大きいため、少しでも気になった方は購入を検討することをおすすめします。
3. ETFの購入におすすめの証券会社3選
この章では、ETFを購入する際におすすめの証券会社を3つ紹介します。
証券会社によって、ツールや取引手数料などが異なるため、必ず事前に確認しましょう!
なお、以下の記事にMoneyCourtおすすめの証券口座を詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください!
(1)SBI証券
SBI証券は2020年6月末の時点で口座開設数が530万件を突破しており、ネット証券ではNo.1の口座開設数を誇っています。
売買手数料が業界最低水準で、1日の約定代金合計額で手数料が決まる「アクティブプラン」では、現物、株、信用取引ともに「100万円までなら手数料が0円」です。
さらに、100銘柄以上の国内ETFや一部の米国ETF、REITの取引手数料が無料なことも魅力です。
また、SBI証券と住信SBIネット銀行に口座を作成し、その2つを連携させることで、普通預金の金利を0.01%にできます。(メガバンクの普通預金金利は0.001%なので、実質10倍)
(2)楽天証券
楽天証券は2020年6月時点で口座開設数が440万を突破しており、ネット証券最大手のSBI証券に次ぐ口座開設数を誇ります。
売買手数料は「超割コース」の場合、約定5万円まで50円となり「いちにち定額コース」の場合は、1日の取引金額合計(現物・信用の合計)が50万円までなら無料です。
国内現物ETF100銘柄以上、信用取引ではすべてのETF ・REITなどの売買手数料が無料となり、そして、一部の米国ETFの買い付け手数料が0円となっています。
さらに、楽天証券は楽天ポイントによる金融商品の購入や積立が可能なので、普段から楽天サービスをよく利用する方にはかなりおすすめできる証券会社です。
また、楽天証券の口座と楽天銀行の口座を連携させることで、普通預金の金利を0.1%にできます。(メガバンクの普通預金金利は0.001%なので、実質100倍)
(3)松井証券
松井証券の最大の魅力は、1日50万円以下の取引なら、売買手数料(現物取引、制度信用取引、無期限信用取引)が無料なところです。
国内現物ETF100銘柄以上、信用取引ではすべてのETF ・REITなどの売買手数料が無料となり、そして、一部の米国ETFの買い付け手数料が0円となっています。
老舗の証券会社のため顧客サポートが充実しており、HDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する2020年度問合せ窓口格付け(証券業界)において、最高評価である「三つ星」を10年連続で獲得しています。(参考:お客様サポート│松井証券)
さらに、「投信工房」という無料で使える本格派ロボアドバイザーや、スマホ向けに「株touch」というスマホで気軽に取引ができるアプリが用意されているので、投資初心者の方に手厚い証券会社といえます。
4. ETFに投資をするメリット・デメリット
この章では、ETFに投資をするメリットとデメリットを解説します。
メリットとデメリットをしっかり把握し、ETFに関する知識を深めた上で投資を行ってください。
(1)ETFに投資するメリット
まずは、メリットから解説します。
#1:取引時間内であれば好きなタイミングで売買できる
ETFは、金融商品取引所に上場しているので、証券口座を持っているのであれば、今すぐにでも取引が可能です。
通常の投資信託の場合、取引自体は1日1回と決まっているのですが、ETF(上場投資信託)の場合は、取引時間内であれば、リアルタイムで何度でも取引できるので、万が一の時に安心です。
たとえば、リーマンショックのような急激な相場変動の際、通常の投資信託の場合、基準価額の確定に時間がかかるため、決済までに時間がかかってしまいます。
対して、ETFは取引時間内であればすぐに売り注文を出すことができるので、損失を最小限に抑えることができます。
#2:どの証券会社でも取引可能
ETFは、株式取引と同じように、全国の証券会社で取引できます。
国内ETFについては、大手ネット証券のほとんどで取引をすることができるため、ETFのための証券口座を別途開設する手間がありません。
また、ETFのために新規口座を開設する必要がないため、一つの証券会社で同時に運用できます。
このように、今ある証券会社で取引ができることは、初心者にとって大きなメリットです。
#3:簡単に分散投資ができる
投資の世界でよく使われる言葉として「分散投資」というものがあります。
これは、1つの銘柄や資産に投資を集中させるよりも、値動きの異なる複数の銘柄を組み合わせてポートフォリオを組んだ方が、全体的なリスクが下がり、投資効率が上がるという考えです。
ETFは、さまざまな銘柄を組み合わせた上で運用されているので、手軽に分散投資ができる金融商品です。
#4:信託報酬(手数料)が安い
ETFも通常の投資信託と同様に、ETFを保有している期間は、運用管理費用として「信託報酬」という手数料がかかるのですが、一般的には、ETFの信託報酬の方が投資信託の信託報酬よりも低いという傾向があります。
ETF(上場投資信託) | 通常の投資信託 | |
---|---|---|
購入時/売却時 | 0.0〜1.5%程度 | 0.0〜3.0%程度 |
信託報酬(保有時) | 0.1〜1.0%程度 | 0.2〜4.0%程度 |
また、ETFには「賃株」といって、自分が所有しているETFを貸し出す制度が存在しています。
この制度を利用すると、ETFを貸し出した対価として「賃株料」という報酬を受け取れます。
銀行の金利よりも高い金利で毎月の金利収入を得られるので、ETFにかかる信託報酬のコストを軽減できる効果があります。
#5:少額から投資可能
ETFは、個別株に比べて最低購入価格が低く設定されています。
たとえば、トヨタ自動車(7203)は最低100株からの購入が必要で、株価は7,352円(2020年11月20日時点)と最低でも70万円程度が必要になります。
しかし、ETFであれば、ほとんどの銘柄を数千円〜数万円程度で購入できるので、個別株の購入と比べると、購入のハードルが低くなっています。
少額から投資を始めたい方には非常に魅力的ポイントです。
(2)ETFに投資するデメリット
ここでは、ETFの取引に関わるデメリットについて解説します。
#1:資産毎に分散する場合は自身で組み合わせを考える必要がある
ETFは、複数の「銘柄」を組み合わせて運用されていますが、基本的には株、債券、REIT(不動産投資信託)、コモディティ(金や原油など)のように「資産」クラスは分かれています。
分散投資の考え方でいうと、異なる「銘柄」だけでなく、異なる「資産」クラスにもバランスよく分散投資を行うのが望ましいのです。
ですが、現在の日本のETFでは、ETF1本ですべての「資産」クラスをカバーするものがないため、投資家自身でポートフォリオの組み合わせを考える必要があります。
例えば、株式市場だけでなくREITに分散したい場合、「株式市場に関する銘柄」と「REITに関する銘柄」をそれぞれ購入する必要があります。
なお、通常の投資信託であれば「バランス型ファンド」といって、株式50%、REIT25%、債券25%のような複数の「資産」をあらかじめ組み合わせた商品があります。
そのため、1本ですべての「資産」クラスに投資したい方には、通常の投資信託も検討することをおすすめします。
#2:定期的にETF商品の見直しをする必要がある
ETFの場合は、自分で定期的に資産の見直しや割合の調整(リバランス)を行う必要があります。
長期的に資産運用を行なっていく場合は「ポートフォリオ運用」といって、さまざまな資産を組み合わせて、バランスよく投資をする必要があります。
そのため、ETFを保有したら、以下についてしっかりと確認しましょう。
- 定期的に値動きを確認すること
- 値動きが期待通りでなければ、売却も検討すること
- 他のETFや株式などと組み合わせて、ポートフォリオ全体の値動きを確認すること
そのため、購入して終わりでなく、自分で資産配分の見直しや調整を行うことで適切に運用することが重要です。
#3:複利効果を得るには、自分で再投資する必要がある
長期的に資産運用を行う際のキーワードとして「複利効果」というものがあります。
この複利効果とは、運用で得られた利益(利息や配当など)を再び元本に組み込むことで、利息が利息を生み、元本が効率的に増える効果のことをいいます。(長期で運用を行うほど効果が大きくなる傾向があります)
通常の投資信託であれば、分配金を自動で再投資してくれる仕組みがあるので、投資家自身が何もしなくても複利効果を期待できます。
しかし、ETFの場合は、分配金を自動で再投資してくれる仕組みがなく、ETFの決算時にすべて現金で支払われてしまうので、複利効果を期待する場合は、投資家自身が分配金を再投資する必要があります。
#4:積立投資ができない
ETFには、毎月決まった額を購入し、積立を行なってくれる「積立投資サービス」がありません。
積立投資サービスを使えば、毎月あらかじめ一定金額の設定をしておけば、あとは自動で積立を行なってくれるので、大変便利なのですが、ETFにはこのサービスがないので、積立投資をしたい場合は、投資家自身が毎月決めた日にETF商品を購入する必要があります。
この特性上、ETFは、短い期間(毎月ではなく、1週間など)で資産状況を確認しながら購入したい方や、ETFの価格が少しでも下がっているタイミングで購入したい方(リアルタイム性を重視する方)にはおすすめの金融商品といえます。
#5:株主優待を受ける権利がない
投資信託に限らず、ETFにも株主優待を受ける権利はありません。
株主優待を受けるには、実際にその株主優待を実施している企業の株を「直接的」に保有する必要があります。
しかし、ETFの場合は、たとえその企業の株が自分が投資したETFに含まれていたとしてもそれは「直接的」ではなく「間接的」に保有したことになるので、株主優待の対象にはならないのです。
企業の株主優待を期待している方には、ETFをおすすめすることができません。
5. まとめ
今回の記事では、ETFのおすすめ銘柄とETFを購入する際におすすめの証券会社を紹介しました。
また、ETFに投資するメリット・デメリットについても解説したので、ETFに関する知識が以前よりも深まったのではないかと思います。
ETFに投資をするメリット・デメリットをしっかり把握した上で、今回紹介した銘柄の購入や証券会社を検討してみてください。