「CFDとは一体どんな取引なのだろう」
「CFDで利益を上げた話を聞いた。自分にもできるか知りたい」
CFDとはレバレッジをかけて、株価指数や個別株などに投資ができる取引のこと。
資金管理には気をつけなければいけませんが、CFDには通常の株式投資では得られない大きな利益を上げられる可能性があります。
この記事では「CFDって何?」という疑問を持つCFD初心者へ、実際にCFDを取引している筆者が、CFDに必要な知識をわかりやすく解説します。
「多少リスクを負っても大きな利益を狙いたい」という方や「少額から投資したい」方は、参考にしてみてください。
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1.CFD(差金決済取引)とは:株価指数や個別株にレバレッジをかけて投資
CFDとは「Contract for difference」の略語で、「差金決済取引」と訳されます。
CFDでは少額から、レバレッジをかけて、日経平均株価・NYダウといった株価指数や個別株に投資ができます。
「てこの原理」を表し、預け入れる資金の数倍~数十倍の金額の取引ができる仕組み。
CFDは馴染みの薄い人が多いかもしれませんが、実は日本人に人気のFXと仕組みは同じ。
CFDもFXと同じく、証拠金を証券会社に預け、レバレッジをかけて手元にある資金以上の取引ができます。
担保として証券会社に預ける資金のこと。
なお、FXとCFDの主な違いはその「取引対象」。
FXは「通貨」を取引するのに対し、CFDは「通貨以外」を対象に取引を行います。
2.CFDで買える銘柄:株価指数、個別株、商品
CFDでは具体的に、どのような銘柄を買えるのでしょうか?
ここではCFDで買える銘柄のうち、代表的な上記3種類を解説していきます。
(1)世界各国の株価指数:日経平均株価やNYダウなど
CFDでは日経平均株価やNYダウ、S&P500など世界各国の株価指数に連動を目指す商品を買えます。
例えば、GMOクリック証券では以下の株価指数を取り揃えています。
- 日経平均株価:トヨタやソニーなど「日本の代表的な225銘柄」で構成
- NYダウ:マクドナルドやインテルなど米国市場に上場する「代表的な30銘柄」で構成
- S&P500:コカ・コーラやアップルなど米国市場に上場する「大型株500銘柄」で構成
- ナスダック100:アップルやアマゾンなど米国ナスダック市場に上場する「成長株中心に100銘柄」で構成
- FTSE100:「ロンドン証券取引所に上場する100銘柄」で構成
など
株価指数は何十~何百銘柄で構成されています。
そのため1つの株価指数を買うだけで、複数の銘柄を保有する「分散投資」と同じ効果を得ることができます。
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(2)日本株や米国株などの個別株
CFDでは日本株や米国株などの個別株にも投資ができます。
例えば、PayPay証券では以下の日本株・米国株を取り揃えています。
- オリエンタルランド:東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを運営・開発している。
- 花王:トイレタリー商品など幅広い製品を提供している。31期連続増配(増配:配当金を増やすこと)中。
- アップル:iPhoneやiPadなどの製品を開発・販売している時価総額世界一の企業(2021年5月時点)。「App Store」「Apple TV+」などサービス収益も好調。
- アマゾン:世界最大級のネット通販会社。クラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」も好調。
これらはあくまでほんの一部。
個別株は株価指数に比べて、値動きがあり、より大きな利益を伸ばせる可能性があります。
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(3)商品:金や原油、大豆など
株価指数や個別株に比べると、馴染みは薄いかもしれませんが、CFDでは各種商品にも投資できます。
例えば、GMOクリック証券では以下の商品を取り揃えています。
- 金:古くから投資対象とされ、一般的には株価や米ドルと逆相関すると言われている
- 原油:サウジアラビアなど産油国の増産・減産の動向に価格が影響される
- 大豆:生産国(米国・ブラジルなど)の大豆収穫量が価格に影響される
個別株や株価指数のほか、分散投資の一つとしてこれら商品への投資を検討してもいいでしょう。
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3.CFDの3つのメリット
CFDを検討する上で是非知っておきたいのが、CFDをするメリットでしょう。
ここでは上記3つのメリットを解説していきます。
(1)レバレッジ効果でより大きな金額を取引できる
CFDでは、レバレッジをかけることで、預けた金額よりも大きな金額を取引できます。
以下が銘柄ごとにかけられる最大レバレッジと必要証拠金率(取引金額に対して、入金が必要な金額の割合)です。
最大レバレッジ | 必要証拠金率 | |
株価指数 | 10倍 | 取引金額の10% |
個別株 | 5倍 | 取引金額の20% |
商品 | 20倍 | 取引金額の5% |
※証券会社により、最大レバレッジ・必要証拠金率は異なる場合がある
通常の投資(現物取引)では10万円を預けたら、最大で投資できる金額は10万円です。
一方、CFDでは10万円を預けたら、株価指数では最大100万円分、個別株では最大50万円分の取引ができます。
そのため、同じ銘柄を買ったとしても、CFDの場合は利益が5倍ないし10倍になる可能性があるのです。
ただし、レバレッジをかける分、自分のポジションと相場が逆に動いた際には損失もより大きくなるため、取引金額には十分気をつけましょう(詳しくは(1)取引金額には注意が必要にて)。
通常の投資の場合、100万円分の取引をする際には100万円の資金が必要。
一方、CFD(株価指数)では、10万円を用意すれば、100万円分の取引が可能。
残りの90万円は他の商品への投資にも回せるなど、レバレッジは資金効率を良くする仕組みとして活用できる。
(2)「売り」から入れる=価格が下がっても利益を得られる
CFDでは「買い」だけでなく、「売り」からも入れるため、下落相場であっても利益を上げられるチャンスがあります。
通常の投資(現物取引)では、「買い」からしか始められないため、価格が上昇しないことには利益を上げられません。
一方、CFDでは、高いところで「売り」→安いところで「買い」という取引ができます。
例えば、1,000円で「売り」をしたあと、価格が下落し、900円になったので「買い」をすれば、差額100円分(取引金額の10%)の利益を上げれらます。
このようにCFDは「売り」からも入れるため、取引の幅が一気に広がるのです。
(3)ほぼ24時間取引可能
CFDはおおよそ平日8:00頃~翌6:00頃(銘柄や時期によって前後あり)まで、ほぼ24時間取引できます。
例えば、日本の株式市場は平日9:00~15:00なので、仕事などでなかなか取引する時間を取れない人もいるでしょう。
その点CFDであれば、夕方や夜、深夜であっても取引できるので、時間に縛られずに投資ができます。
4.CFDの3つのデメリット
続いて、CFDの3つのデメリットを解説します。
メリットだけでなく、デメリットもしっかり把握しましょう!
(1)取引金額には注意が必要
CFDはレバレッジをかけられるため、より大きな利益を上げられる一方、自分のポジションと逆の方向に相場が動いた場合は、損失もより大きくなってしまいます。
例えば、同じ10万円の資金で個別株を取引するとして、通常の投資(現物取引)では10万円まで、CFDでは最大50万円分の取引が可能です。
仮に5%の価格が下落したとすると、現物取引では5,000円の損失に留まりますが、CFDでは最大2万5,000円の損失を被ってしまいます。
このように、個別株をCFDと通常の現物取引した場合とで比較すると、CFDは現物取引に比べて利益は5倍ですが、損失も5倍になってしまいます。
そのため、例え損失を出したとしても資金的にも精神的にも十分耐えられるくらいの取引金額にするなど、注意が必要です。
(2)オーバーナイト金利がかかる
CFDにおいて、原則買いポジションを、日をまたいで持ち越した場合には「オーバーナイト金利」というコストがかかります。
オーバーナイト金利は証券会社や銘柄・時期によって異なり、例えばサクソバンク証券でNYダウを買った場合のオーバーナイト金利は年約2.2%です(2021年4月実績)。
そのため、サクソバンク証券で、NYダウを100万円分の買いポジションを1年間持っていた場合には、単純計算で約2万2,000円をオーバーナイト金利として支払うことになります。
買いポジションは原則オーバーナイト金利を支払うが、一方で配当金に相当する「配当金相当額」は受け取ることができる。
オーバーナイト金利は原則買いポジションを保有し続ける限りかかりますので、特に長期保有時には注意しましょう。
(3)株式取引との損益通算はできない
CFDで発生した損失は、CFD同士やFXとの損益通算はできますが、株式取引や投資信託との損益通算はできません。
損益通算とは、利益と損失を相殺して、税金を安くすること。
例えばA社の口座で100万円の利益、B社の口座で50万円の損失が出た場合、損益通算をしないと利益「100万円」に対して税金がかかる。
そこで損益通算をして、利益と損失を相殺(利益100万円-損失50万円)すれば、「50万円」に対して税金がかかるようにできる。
もし株式取引や投資信託で利益(損失)が出て、CFDで損失(利益)が出たとしても、損益通算ができないため節税できません。注意しましょう。
▼▼CFDにかかる税金は?こちらで解説▼▼
5.CFDに必要な取引コスト
CFDをする際には以下4つの取引コストがあります。
- 取引手数料:CFDを売買する際に発生する手数料。無料にしている証券会社が多い
- スプレッド:買値(ASK)と売値(BID)の差のこと。狭ければ狭いほど、取引コストが低く、利益を上げやすい
- オーバーナイト金利:原則買いポジションを日をまたいだ際に発生するコスト
- 配当金相当額:買いポジションの場合は受け取れるが、売りポジションの場合は配当金相当額を支払う
▼各取引コストについてはこちらの記事でより詳しく解説しています▼
6.CFDができる主な証券会社
最後に、CFDができる主な証券会社を紹介します。
取り扱い銘柄 | 特徴 | |
GMOクリック証券 |
株価指数・個別株・商品など |
|
IG証券 | 株価指数・個別株・商品・債券など |
|
サクソバンク証券 | 株価指数・個別株・商品・債券など |
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PayPay証券 | 株価指数・日本株・米国株 |
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OANDA Japan | 株価指数 |
|
このように、証券会社によって取り扱い銘柄や特徴は異なります。
CFD初心者は、24時間電話サポートがある「GMOクリック証券」やアプリの使いやすさから「PayPay証券」がおすすめ。
CFDに慣れてきたら、取り扱い銘柄数の多い「サクソバンク証券」や「IG証券」、『MT4』『MT5』を使ってテクニカル分析ができる「OANDA Japan」で取引してみてもいいでしょう。
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7.少額からCFDを始めてみよう
CFDはレバレッジをかける分、相場がポジションと逆の動きをした際には、損失も大きくなります。
ただ同時に、通常の投資よりも大きな利益を得られる可能性がある取引でもあります。
また、下落相場でも利益を狙える点もCFDの大きな魅力ですので、まずは少額からCFDを始めてみてはいかがでしょうか。
ライター:庄子 鮎