「資産運用のコツやポイントは何だろう?」
「アセットアロケーションはどんな意味なのかな…」
このように考えていませんか?
実はアセットアロケーションこそ、資産を上手に運用するポイントのひとつなんです!
本記事では、アセットアロケーションの意味やアセットの種類、そしてアセットアロケーションの注意点を解説します。
この記事を読むことで、アセットアロケーションの意味だけでなく、資産運用に必要な基礎知識が身につきます!
ぜひ最後まで目を通してくださいね。
1.アセットアロケーションとは
「アセットアロケーション( asset allocation)」とは、投資資産を分散することをいいます。
アセットが「資産」、アロケーションが「配分」という意味です。
投資においてアセットアロケーションが重要な理由は、「投資する際はリスクを分散し、損失を最小限に抑える必要があるから」です。
投資対象になる商品はさまざまですが、いずれも市場の動向や需給、政治的要因等で価格が変動します。
資産を全て同一の投資対象に投資した場合、値崩れが起きたら総資産額が大きく下落してしまいます。
ところが、資産を分散しておけば、値崩れの影響は限定的で済み、資産減少を最小限に食い止めることができるのです。
一点集中で購入したほうが、市場が上向きになったときの資産増加スピードが早まるものの、リスクが大きいためおすすめできません。
資産を守りながら増やすためには、アセットアロケーションが欠かせないのです。
2.アセットアロケーションに取り入れたい資産運用4選
代表的なアセットや資産運用の方法は、どのような種類があるのでしょうか。
ここでは、資産運用の対象となる代表的なアセットと運用方法を、4種類ピックアップしました。
種類 | 内容 |
1.株式投資 | 株式会社が資金調達のために発行する株式を売買、保有して利益を得る方法。 |
2.債券投資 | 国や地方公共団体、企業などが資金調達のために発行する債券を売買、保有して利益を得る方法。 |
3.不動産投資 | 土地や建物といった不動産を人に貸したり、売買したりして利益を得る方法。 |
4.コモディティ投資(金、プラチナなど) | 金やプラチナなどの物(コモディティ)に投資をして利益を得る方法。 |
それぞれの内容について簡単に説明しましょう。
(1)株式投資
株式投資とは、上場企業の株式を購入して、その売買価格の差で利益を出す資産運用方法を指します。
また、配当金の受け取りを目的とした株取引も人気です。
株式への投資は、最も広く知られているといってもいい投資方法ですね。
(2)債券投資
債券投資とは、国や会社が資金を調達するために発行する有価証券に投資をして利益を得る資産運用方法です。
一般的には、債券を保有していると所定の利子が得られます。
日本政府が発行している日本国債は、リスクは非常に低いものの、年利0.05%とリターンも少なめなので、資産の増加はほとんど見込めません。
しかしながら、元本割れのリスクもほとんどありませんので、安全な投資先といえます。
(3)不動産投資
不動産投資とは、土地や建物などの不動産に投資して、利益を得る資産運用方法です。
不動産への投資は、以下の2つの方法があります。
- 不動産を売買した差益で利益を出す方法
- 収益物件を購入して賃料を受け取る方法
個人投資家にもなじみが深いのは、収益物件による賃料収入を得るタイプの不動産投資です。
まとまった資産がなければ購入はできませんが、購入した物件の空室率が低くなければ安定して利益を得ることができます。
(4)コモディティ投資(金、プラチナなど)
コモディティ投資とは、金や銀、原油といった商品に投資をする資産運用方法を指します。
コモディティは商品を購入するため、価値がゼロになる可能性が少ないのが特徴です。
また、「有事の金」といわれるように、紛争リスク等で、株式市場が大きく下落する際に値上がりするなど、株式のリスクヘッジとして購入されることが多い傾向にあります。
3.最適なアセットアロケーションにおける3つのポイント
投資をする際は、分散投資やアセットアロケーションが基本です。
様々なリスクに備えて資産を分散することで、ハイリターンの金融商品におけるリスクを緩和することができ、資産運用のリスク自体を軽減できるからです。
そんなアセットアロケーションを行う際のポイントは、以下の3点です。
それぞれ順に説明しますので、分散投資を実行する際は参考にしてみてくださいね。
(1)「何を買うのか」ではなく「どう分配するのか」を決める
投資をスタートするとき、多くの方は「何を買うのか」から考えますが、実は最初に考えるべきは「分配の割合、分配する投資対象」です。
なぜなら資産配分の割合によって、資産全体で得られるリターンと、それに伴うリスクが変わってくるからです。
個別商品ごとに細かく比較しても、資産全体で考えると利益率や値動きの方向があまり変わらない可能性がありますので、最初は資産配分の方を優先して決めるといいでしょう。
では具体的に、どう考えたらいいのでしょうか。
- 許容できるリスクが大きい方は、高いリターンを狙って株式の配分を多くし、債券等の利回りが低い商品の配分を小さくする。
- 株式、債券、コモディティ、不動産などの種別だけでなく、資産の属する国を分けることも検討する。
資産の種類や投資する国を分けることで、資産の大幅な減少を回避し、比較的安定した分散投資を実現できます。
(2)値動きが連動しない資産を組み合わせる
アセットアロケーションの基本は、値動きが連動しない資産を組み合わせることです。
値動きが連動する資産に分配をしたら、それぞれの資産が同じ値動きをしますので、リスクヘッジにはなりません。
たとえば、ここ数年は、米国市場と日本市場は連動した動きをすることが多く、NYダウが下がれば日経平均も下落しがちです。
したがってアメリカ株と日本株を購入しても、リスクを軽減できるとはいいきれません。
よって金などのコモディティや、基本的に株式と逆の動きをする債券を投入して、市場暴落による損失分をカバーします。
このように、資産を守るためには、値動きが連動しない資産を組み合わせて、市場の暴落による影響を最小限に抑えなければならないのです。
(3)分散方法がわからなければ、ETFも視野に入れる
アセットアロケーションのために、さまざまな国に投資をしたいときは、「ETF(Exchange Traded Funds・上場投資信託)」が活用できます。
ETFとは、株式市場に上場していて、個人が自由に売買できる投資信託のことです。
ETFはさまざまな国の株式、債券等の指数に連動した値動きを見せるものが多いため、通常は投資しにくい海外市場にも容易に投資できます。
株式だけでなく、債券やコモディティ、不動産等を対象としたETFもありますので、証券口座を開設してETFを購入するだけで、手軽にアセットアロケーションが実現できます。
まとめ
アセットアロケーションは投資において非常に重要です。
最適なアセットアロケーションを行うことで、資産運用のリスクを最小限に抑えることができます。
投資対象となる国を分散する際には、個別の株式や債券ではなく、ETFを購入するのも1つの手段です。
理想の資産配分を決め、さまざまな運用商品を活用しながら、バランスのよい資産運用に取り組んでいきましょう!