「資産運用って具体的にどんなことをすればいいの?」
「資産運用することでどのようなメリットがあるの?」
将来を見据えて資産を増やしたいと思っている人の中には、資産運用について気になっている人も多いのではないでしょうか。
資産運用にはさまざまな種類があり、実は手段によって恩恵の受け方やリスクが異なるのです!
本記事では、資産運用が注目されている背景やメリット・デメリット、運用手段、運用のコツを紹介します。
この記事を読めば、将来のために資産を増やすことができますよ!
1.資産運用とは
資産運用とは手元にある資金を株式や債券などの金融商品に投資して増やすことで、大きく貯蓄と投資の2つに分けることができます。
- 貯蓄:銀行にお金を預けて将来使えるお金を少しずつ貯めておくこと
- 投資:資産を株式や不動産などに換えて、売買などの直接取引や配当金によって資産を増やすこと
つまり、将来使えるお金を貯めて確保するのが貯蓄で、手元のお金を使って増やすのが投資と認識しておきましょう。
特に投資によって国や企業にお金を流動させることで、国や企業の成長につながり、暮らしやすい環境や質の高い商品・サービスを手に入れることができます。
投資による資産運用をすることで、将来使える資産を増やせるだけでなく、将来の生活を豊かにするための社会貢献もすることができるのです!
2.投資による資産運用が注目されている3つの理由
世間から投資による資産運用が注目されている背景を紹介します。
投資を始める人が増えている主な理由は以下の3つです。
順に紹介するので、資産運用を始めるきっかけにしましょう!
(1)世の中が低金利になっている
投資が注目されている理由の1つが、世の中が低金利になっていることです。
従来は資産運用の中でも定期預金や普通預金に貯金するだけで金利によってお金を増やすことができました。
日本銀行の主要時系列統計データ表によると、2008年の12月の普通預金の平均金利は0.12%でしたが、2016年の3月には0.01%に、2016年の10月には0.001%と著しく低下しているのです。
2016年の10月から2020年9月まで0.001%と変わらず、2008年の12月に比べると約1/100まで下がっています。
したがって、低金利の世の中、将来のために資産を増やすのに貯金は向いていないため、貯蓄に回す予定だった資金を投資に回した方が効果的に資産を増やせるでしょう!
(2)将来年金をもらえる保証がない
少子高齢化により将来年金をもらえる保証がないことも投資が広まっている理由の1つです。
現在は労働人口が多く安定して年金が支給されていますが、この先少子化による労働人口減少が原因で、支給される年金が減給される可能性は十分にあるでしょう。
将来年金だけでは生活するのが難しいと言われているため、自分で将来のためにお金を用意しておく意識が高まっている傾向があります。
貯金でも将来のための資産を確保することは可能ですが、前述した低金利により貯金で効率良く資産を増やすことは困難です。
年金で生活できる保障がないので、老後の生活に不安を抱えている人が投資に取り組んでいるといえるでしょう。
(3)初心者が投資するハードルが下がっている
将来に対する不安だけでなく、単純に投資のハードルが下がっていることも考えられます。
従来は、貯金するだけで簡単にお金を増やせることも相まって、投資などリスクを要する資産運用に関して専門的な知識を持っている人が行う傾向がありました。
しかし、現在は投資信託などの金融商品により、金融の知識を持たない一般人でも簡単に投資をして低リスクで資産を増やせる仕組みが普及しています。
500円や1,000円など少額で気軽に投資をすることもできるので、初心者でも簡単に資産運用できるような選択肢が増えているのです。
たとえば、資産運用をAIを用いて一任できるロボアドバイザーは、初心者でも簡単に始めることが可能です。
毎月貯金する感覚で投資できる環境が整っているため、資産運用に取り組む人が増えている理由の1つといえるでしょう。
3.資産運用のメリット・デメリット
資産運用のメリットとデメリットを紹介します。
投資をすることで将来のために資産を増やせる可能性を高めることができますが、一方でリスクも考慮しなければなりません。
それぞれ紹介するので、メリットは資産運用のモチベーションに、デメリットは資産運用時のリスクヘッジにつなげましょう!
(1)資産運用のメリット
投資による資産運用のメリットを紹介します。
資産運用の主なメリットは以下の2つです。
- 複利効果が期待できる
- 不労所得を得られる
順に紹介するので、モチベーション変えて取り組みましょう!
#1:複利効果が期待できる
投資をすることで複利効果が期待できます。
複利効果とは資産運用によって得た収益を投資して、さらに大きな収益を上げられる効果のことです。
たとえば、元手が100万円で利回り5%の商品を3年間運用した場合の投資結果は以下になります。
1年目の投資結果:100万円(投資金額)×0.05%(金利)=105万円
→1年間の投資で得た利益=5万円
2年目の投資結果:105万円(投資金額)×0.05%(金利)=110万2,500円
→2年間の投資で得た利益=10万2,500円
3年目の投資結果:110万2,500円(投資金額)×0.05%(金利)=115万7,625円
→3年間の投資で得た利益=15万7,625円
このように、投資して得たお金を繰り返し投資に回すことで、徐々に利益幅を広げることができるのです。
繰り返した回数によって利益も増加するので、投資期間が長くなるほど得られる利益も大きくなります。
投資に使えるお金が大きくなるほど、手を出せる金融商品が増えてくるので、より効果的に資産を増やすことが可能です。
#2:不労所得を得られる
お金を投資するだけなので、働かずして所得を得ることが可能です。
一般的には、自分の時間や体力を消費した見返りとして給料や報酬などを得られます。
しかし、投資は金融商品を購入するだけなので、上手くいけば自分の時間や体力を消費することなく、大金を得ることもできるでしょう。
金融商品によっては、株の銘柄や不動産の価値などチェックする必要はありますが、一般的な労働に比べると時間や体力を犠牲にすることなく所得を得られます。
なお、以下の記事で不労所得に関してまとめているので、あわせてご覧ください。
(2)資産運用のデメリット
投資による資産運用のデメリットを紹介します。
主な資産運用のデメリットは以下の2つです。
- 元本割れの可能性がある
- 知識やノウハウが必要
順に紹介するので、大きな失敗をしないように資産運用のリスクを頭に入れた上で取り組みましょう!
#1:元本割れの可能性がある
投資で頭に入れておかなければならないのは、元本割れの可能性がある点です。
元本とは投資に使ったお金のことで、投資をしたからといって元本以上のお金が手に入るとは限りません。
たとえば、10万円で購入した株が、1年後に8万円の価値に低下してしまえば、10万円投資したにもかかわらず8万円しか回収できず、2万円の赤字となってしまいます。
手放すタイミングによって元本割れの状態から黒字に転換することも可能ですが、将来のことは予想できても誰も明確に言い当てることはできません。
金融商品によっては素人が手を出しても失敗するリスクは低くなっていますが、必ず成功できるとは断言できないので、投資額を回収できない可能性があることを把握した上で金額を決めましょう!
#2:知識やノウハウが必要
投資信託など細かい専門的な知識がなくても投資ができる金融商品はありますが、より効果的に利益を出すためには知識やノウハウが必要です。
社会経済の動きから金融の動きを予想する必要があり、不動産などの価値を下げないための知識や努力も求められます。
金融商品を購入するだけで利益を出すことは可能ですが、損失を減らし利益を増やすためには知識やノウハウは必要といえるでしょう。
投資方法の中でも自分に向いている手段は何なのか、金融商品にはどのようなリスクがあるのかなど、金融商品の情報を常に集めておきましょう!
4.資産運用の6つの手段
資産運用の手段を紹介します。
今回紹介する資産運用の方法は以下の6つです。
それぞれのリターン(メリット)とリスク(デメリット)にも触れるので、自分に合っている資産運用の手段を見つけてみましょう!
それでは、リスクリターンが低い順に紹介します。
なお、以下の記事で具体的に資産運用の手段を紹介しているので、あわせてご覧ください。
(1)預貯金
預貯金は資産運用で最も一般的な方法です。
預貯金とは具体的にどんなことをするのか、リターンとリスクにはどのようなものがあるのか紹介します。
それでは、順に紹介します。
#1:預貯金とは
預貯金は、銀行にお金を預けて定期的に利息を受け取ることができる金融商品です。
主に銀行が取り扱っている商品であり、預金保証制度があるので1,000万円までは元本保証があります。
そのため、1,000万円以内であれば、将来元本が確実に回収することができるので、最もリスクの低い資産運用手段といえるでしょう。
銀行口座を作るだけでできるので、手軽に将来のための資産作りをしたい人におすすめですよ!
#2:預貯金のリターンとリスク
預貯金のリターンとリスクを紹介します。
預貯金のメリットとデメリットは以下の通りです。
リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
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預貯金は将来確実に資産を確保しておくためには有効な手段です。
将来必要な金額が決まっていれば、それに合わせて計画的に貯金することで十分な資産を確保することができます。
また、複数の口座に分けて各口座の貯金額を1,000万円以内に抑えておけば、確実に元本分の金額を回収することが可能です。
口座を作りお金を預けるだけなので、特別な知識やノウハウは必要なく、必要になったときにいつでも使えるので使い勝手が良いといえるでしょう。
ただし、低金利の時代で平均金利が0.001%と高額な利息は期待できないため、投資の手段として不向きで、元本以上に効率良くお金を増やすのは困難です。
もし、預貯金を利用する場合は、将来のための生活費だけでなく、入院費や保険料などの緊急資金確保を目的に行うとモチベーションを維持しやすいですよ!
(2)国債
国債も比較的手を出しやすく人気のある金融商品です。
国債とは具体的にどんなことをするのか、リターンとリスクにはどのようなものがあるのか紹介します。
それでは、順に紹介します。
#1:国債とは
国債とは、国が財源を集めるために発行する債券のことです。
国にお金を投資することで投資期間に応じて半年に1回利息を受け取ることができます。
預貯金のように元本保証はありませんが、国が破綻する確率は極めて低いためローリスクローリターンの手段の1つです。
一般的な国債の金利は0.05%で、満期を迎えると自動で元本が返還されます。
投資よりも資産を増やす効率は悪いですが、安全性が高く預貯金に比べて金利が高いので、人気が高い金融商品ですよ!
#2:国債のリターンとリスク
国債のリターンとリスクを紹介します。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
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金利は低いですが、半年に1回利息を受け取ることができるので、少しずつ資産を増やすことができます。
また、「国が破綻する = 国がつぶれる」を意味するので、確実に元本分は返ってくるため安全度は資産運用の中でも最も高いです。
預貯金よりも金利が高いので、全ての資産を貯金するよりは預貯金と国債を平行して行うことをおすすめします!
ただし、預貯金よりも金利が高いといっても大幅に高いわけではないので、手元の資産を元に効果的に資産を増やしたい人は国債に充てるよりも投資関連の金融商品に充てましょう!
(3)投資信託
投資信託は、投資関連の金融商品の中でも初心者に最も易しい手段です。
投資信託とは具体的にどんなことをするのか、リターンとリスクにはどのようなものがあるのか紹介します。
それでは、順に紹介します。
なお、以下の記事でおすすめの証券口座をまとめているので、あわせてご覧ください。
#1:投資信託とは
投資信託とは、投資をしたお金を金融資産運用のプロ(ファンドマネージャー)が代わりに運用してくれる金融商品のことをいいます。
つまり、自分が出したお金を使って、専門家が代わりに投資をして利益を出してくれるのが投資信託です。
投資信託には、元本割れしないようにリスクを低くするローリスクローリターン型やある程度のリスクを冒して儲けを取りに行くハイリスクハイリターン型などの種類があります。
投資先は株式や債券、不動産などさまざまなので、まずは興味のある分野で利用してみましょう!
#2:投資信託のリターンとリスク
投資信託のリターンとリスクを紹介します。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
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投資に関する知識やノウハウが必要なく、プロの投資家が代わりに資産運用をしてくれるので、成果が出る可能性が高いです。
また、積立投資が可能で、毎月1,000円のように少額から投資をすることができます。
ただし、投資のプロだからといって必ず利益を出せるわけではなく、成功するためには依頼する金融商品内容や会社選びが重要です。
買付手数料や信託報酬などのコストが発生する商品もあるので、利益を出してもらえるように口コミや実績を確認して、実績の良い商品や今後の値上がりを期待できる商品に投資しましょう!
(4)株式投資
株式投資は、投資にある程度慣れた中級者向けの資産運用の手段です。
株式投資とは具体的にどんなことをするのか、リターンとリスクにはどのようなものがあるのか紹介します。
それでは、順に紹介します。
#1:株式投資とは
株式投資とは、企業が発行する株を購入して配当金を受け取ったり、買値よりも高く売って儲けを得たりして資産を増やす手段です。
自分が買ったときよりも株価が高いときに売って利益を上げるのが一般的な株式投資ですが、資産に余裕があれば大量に株を保有することで高い配当金を受け取ることもできます。
配当金は企業の決算時の状況によって変わり、好決算のときは大きな還元が行われる可能性が高いです。
いつ購入しどのタイミングで手放すかが株式投資のポイントなので、ある程度投資の仕組みに慣れておく必要があるでしょう!
#2:株式投資のリターンとリスク
株式投資のリターンとリスクを紹介します。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
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株式投資の最も大きなメリットは、タイミングさえ間違えなければ大きな利益を出せることです。
また、多く株を保有するほど配当金が高くなり、株主になることでお金だけでなく株主優待の品物がもらえる銘柄もあります。
しかし、利益を出すためには企業や社会情勢に関する情報を把握し、株を購入するための資金も必要なので、ある程度の経験や資金が求められるでしょう。
経験が浅い内は売るタイミングを逃し大損する可能性があるので、元本割れしても生活に支障を来さない程度の金額に抑えておくことをおすすめします。
少額から株式投資をして得た利益を元本にするなど、投資する金額は初めから決めておきましょう!
(5)不動産投資
不動産投資は物件の管理などが発生するため、上級者向けの資産運用の方法です。
不動産投資とは具体的にどんなことをするのか、リターンとリスクにはどのようなものがあるのか紹介します。
それでは、順に紹介します。
#1:不動産投資とは
不動産投資とは、マンションやアパートなどの不動産を購入して、賃料を得たり売却益を得たりする投資方法です。
不動産投資をするには、まず不動産を購入する必要があるので、ある程度の資金が必要になります。
数千万円と初期投資額は大きいですが、毎月安定してまとまった収入を得ることができ、老後の収入源として人気が高いです。
ローンを活用して不動産を購入することもできますが、借金は少ないに越したことはないので、不動産のオーナーになってみたい人は、株式投資や投資信託で資金をある程度確保してから取り組んでみましょう!
#2:不動産投資のリターンとリスク
不動産投資のリターンとリスクを紹介します。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
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不動産投資を行えば、まとまった収入を毎月得ることができ、現物資産なのでインフレの影響が受けにくく、しっかり管理しておけば不動産の価値が下がりにくいです。
また、収入からローンを払うことができるので、まとまった資金がなくても始められます。
しかし、いきなり数千万円の借金をすることになるので、不動産管理に大きなプレッシャーがかかるでしょう。
物件の管理に力を入れる必要があり、空室にならないように入居者の募集や現入居者の対応などが求められます。
投資信託や株式投資などの他の投資手段に比べて時間と労力が必要になるので、上級者向けの投資手段です。
投資信託や株式投資で利益を出せるようになってから、不動産投資に挑戦することをおすすめします!
(6)外貨預金
外貨預金は日本のお金ではなく、外国のお金を使った資産運用の手段です。
外貨預金とは具体的にどんなことをするのか、リターンとリスクにはどのようなものがあるのか紹介します。
それでは、順に紹介します。
#1:外貨預金とは
外貨預金とは、外国の通貨で預金し為替レート(自国通貨と外国通貨の交換比率)の差で利益を出す資産運用方法です。
似た仕組みでFXがありますが、外貨預金は投資した資金の範囲内で取引をするのに対して、FXは資金の1~20倍の金額で取引をすることができます。
つまり、1万円の資金で外貨預金をすれば1万円にレートが反映されますが、FXで10倍の金額に設定した場合、1万円の資金で10万円相当の取引をすることが可能です。
FXで取引資金を増加させれば一度に大金を稼ぐことができますが、一方で大幅な赤字になる可能性もあるので、初心者のうちは低リスクの外貨預金を利用しましょう。
なお、FXの取引資金を1倍にすれば外貨預金と同じ取引になります。
外貨預金をするときは、円の価値に注目することがポイントで、円の価値が高いとき(円高)に外貨で預金し、円の価値が安いとき(円安)に日本円に替えれば、ただお金を預けていただけでお金を増やすことが可能です。
たとえば、1ドル=100円のときに、100ドル(10万円)を預金したとします。
1ドル=110円のときに日本円に替えれば、100ドル=11万円になるので、手数料を考慮しなければお金を預けただけで1万円も増やすことが可能です。
このように、日々変動する為替レートを活用してお金を増やすことができることも頭に入れておきましょう!
#2:外貨預金のリターンとリスク
外貨預金のリターンとリスクを紹介します。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
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外貨預金は簡単に言えば外国通貨と日本円を替えるだけなので、作業としてシンプルです。
また、アメリカドルやユーロは取引量が多いので、為替も安定しているため値動きが読みやすい傾向があり、各銀行が特別金利や旅行券、ポイントの付与などの特典を受けることもできます。
ただし、手数料がかかるので、手数料を差し引いても利益が出るタイミングで日本円に替えることが重要です。
通貨にもさまざまな種類があるので、初心者にも易しいアメリカドルやユーロをおすすめします。
外貨預金に関しては積立購入することができるので、少しずつ外貨を貯めて大幅な円安になったときにまとめて日本円に換金しましょう!
まとめ
資産運用は、将来の生活を豊かにするために重要です。
低金利や年金の減額など将来に対する不安感や資産運用のハードルが低くなったことから、投資に取り組んでいる人が増加しています。
資産運用には預貯金から株式投資、不動産投資などさまざまな種類があるので、今回紹介した6つの方法を参考に自分に合った資産運用に取り組んでみましょう!