「暗号資産CFD」というワードを見つけて、いったいどんな投資商品なのか疑問に思ったことはありませんか?
暗号資産CFDとは、暗号資産(仮想通貨)を対象とする証拠金取引のこと。
米ドル/円やユーロ/円などを取引するFXや、株式指数を取引するCFDのように、仮想通貨を取引できるしくみです。
仮想通貨の直接取引にはない「売り」から投資ができ、最大2倍のレバレッジもかけられるとあって、上手に活用すれば仮想通貨そのものよりも効率的に取引できるのが特徴。
最近の仮想通貨の高騰でその存在が気になっている方は、まずは暗号資産CFDから始めるのもひとつの手段でしょう。
この記事では元証券マンの筆者が、暗号資産CFDがどのような点からおすすめできるのか、そのメリット・デメリットをわかりやすく解説します!
この記事を読めば、暗号資産CFDに詳しくなれますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
▼そもそもCFDとは?こちらで確認できます
暗号資産CFDは「暗号資産(仮想通貨)を対象にしたCFD」
暗号資産CFDとは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの暗号資産(仮想通貨)を対象としたCFD(差金決済取引)のこと。
CFD(差金決済取引)とは、買い値と売り値の差額だけをやり取りする取引のことです。
差額だけをやり取りするため、仮想通貨そのものの受け渡しは行いません。
暗号資産CFDでは、CFD業者に預けたお金を担保に、レバレッジをかけて取引します。
レバレッジを効かせることで投資効率を高められる他、通常の暗号資産(仮想通貨)と比べて大きな利益を狙う取引ができます。
暗号資産CFDの3つのメリット
暗号資産CFDには3つのメリットがあります。
順に見ていきましょう!
レバレッジが最大2倍かけられる
暗号資産CFDではレバレッジを最大2倍までかけられるため、少額の資金を使って効率よく投資できます。
通常の暗号資産(仮想通貨)であれば、例えば10万円分の取引をするためには10万円を入金しなければいけません。
一方、レバレッジを最大2倍かけられる暗号資産CFDでは、5万円を入金すれば、10万円分の取引が可能です。
余った5万円は株を買ったり、他の暗号資産CFDを取引したりと、他の投資資金へ回すこともでき、効率的に投資ができるでしょう。
このようにレバレッジは「資金効率を良くするための仕組み」として活用することができます。
※仮想通貨の取引所によっては、2〜4倍のレバレッジがかけられる場合もあります。
レバレッジをかけて、大きな金額で取引することで、通常の仮想通貨での取引以上の利益を狙うことも可能。
ただその場合は、損失額も大きくなってしまうリスクがある。
レバレッジをいくらかけてどれくらいの金額を取引するのか、取引金額には十分注意しよう。
下落トレンドでも利益を狙える
暗号資産CFDは「買い→売り」だけでなく「売り→買い」の順で取引できるため、価格が一定期間下がり続ける下落トレンドでも利益を狙えます。
「売り→買い」の取引では、高いときに売って、安いときに買い戻すことで、その差額が利益となります。
他の投資商品と同様に、暗号資産(仮想通貨)の価格は、「下落トレンド」のほか、価格が一定期間上がり続ける「上昇トレンド」と一定の変動幅の中を価格が上下する「レンジ相場」の3つの状態があります。
「売り」からも入れる暗号資産CFDは、これらすべての相場で利益を狙うことができます。
主要な暗号資産を取引できる
暗号資産CFDでは主要な暗号資産を取引できます。
例えば暗号資産CFDができるマネックス証券では、以下の4つの暗号資産(銘柄)を取り扱っています。
- ビットコイン(BTC):時価総額は世界一、最もメジャーな暗号資産
- ビットコインキャッシュ(BCH):2017年8月1日にビットコインがアップグレードされて誕生した暗号資産
- イーサリアム(ETH):2014年に誕生。ビットコインに次ぎ、時価総額が世界2位の暗号資産
- リップル(XRP):送金速度の速さ+世界中の金融機関と提携済み。時価総額は世界6位
※時価総額は2021年5月31日現在の情報
いずれも時価総額が高く、数ある暗号資産のなかでも代表的なものと言えるでしょう。
暗号資産CFDの2つのデメリット
暗号資産CFDのデメリットも把握しておきましょう。
ここでは上記2つのデメリットを解説します。
レバレッジ手数料がかかる
暗号資産CFDの取引コストは「スプレッド」・「取引手数料」・「レバレッジ手数料」の3つ。
スプレッドとは買値と売値の差のこと。その差が広いほどコストが多くかかり、狭いほどコストが小さくなります。
また、暗号資産CFDを提供しているSBI FXトレードとマネックス証券の取引手数料は、ともに0円です。
さて最後の1つ、レバレッジ手数料とは、日をまたいでポジションを保有した場合に発生する手数料のこと。
例えば4/1午後8時に買った後、ポジションを決済しないまま、4/2午前6時半(マネックス証券では午前7時)を超えるとレバレッジ手数料が発生します。
レバレッジ手数料=建玉数量×時価×0.04%で求められる。
建玉数量:1ビットコイン
時価:400万円
の場合のレバレッジ手数料は1,600円になる。
レバレッジ手数料はポジションを保有し続ける限り発生するため、長期保有をする際には注意しましょう。
大きな損失を被るリスクがある
暗号資産(仮想通貨)は相対的に値動きが激しいです。
値動きが激しいのに加え、レバレッジをかけることでより大きな損失を被るリスクがあります。
特に、レバレッジを「より大きな金額の取引をするための仕組み」と捉え、自分のキャパシティ以上の金額で取引をしてしまうと、大きな損失が起こりやすいです。
大きな損失が怖い人は、レバレッジをあくまでも「資金効率を良くするための仕組み」と捉え、少ない金額で効率的に取引をするために活用しましょう。
暗号資産CFDと仮想通貨、どちらを取引すべき?
「暗号資産CFDについては分かったけど、仮想通貨とどちらを取引すべきなの?」という疑問を持つ人もいるでしょう。
この疑問の答えは、以下のとおりです。
それぞれ解説していきます!
暗号資産CFDがおすすめな人
暗号資産CFDは以下のような人におすすめです。
- 短期投資をしたい人:暗号資産CFDはレバレッジ手数料が毎日かかるため、短期投資に適している
- FXなどにも投資したい人:暗号資産CFDを取引できるのはマネックス証券とSBI FXトレードの2社。暗号資産CFD以外に、マネックス証券であれば株や投資信託、FXなど、SBI FXトレードではFXを取引できる
- 投資対象を絞りきれない人:暗号資産CFDで投資できるのは3~4銘柄。取り扱い銘柄がたくさんあると迷ってしまう人も、投資対象を絞りやすい
いずれかに当てはまる人は、仮想通貨ではなく暗号資産CFDを検討しましょう!
仮想通貨がおすすめな人
仮想通貨は以下のような人におすすめです。
- 中・長期投資をする人:数ヶ月~年単位で中・長期投資をする人は、レバレッジ手数料のかからない仮想通貨がおすすめ
- さまざまな暗号資産(仮想通貨)に投資したい人:暗号資産CFDに比べて、投資できる仮想通貨の種類が多いため、選択肢が広い
いずれかに当てはまる人は、仮想通貨の方がおすすめです。
暗号資産CFDはマネックス証券で
2021年5月31日現在、暗号資産CFDを取り扱っているのはマネックス証券とSBI FXトレードの2社。
2社のうち、暗号資産CFD初心者は以下の理由からマネックス証券をおすすめします。
- マネックス証券は主要4銘柄を取り扱い:マネックス証券では、ビットコイン・ビットコインキャッシュ・イーサリアム・リップルの4つの主要な暗号資産を取引できる
- レバレッジ手数料が明示されている:SBI FXトレードは相場状況などを鑑み、日々レバレッジ手数料が掲示されるのに対し、マネックス証券ではレバレッジ手数料が0.04%と明示されていて、コストがわかりやすい
- ロスカット率が高い:SBI FXトレードのロスカット率が50%なのに対し、マネックス証券は100%。ロスカット率の高いマネックスの方が、リスクを抑えて取引しやすい
一方、SBI FXトレードの方が少額投資はできるので、取引金額に応じてマネックス証券とSBI FXトレードの両方を活用しても良いでしょう。
リスクを考慮しつつ、暗号資産CFDを始めよう!
暗号資産CFDは暗号資産(仮想通貨)を対象としたCFDのことで、仮想通貨の値動きに連動します。
暗号資産CFDには「2倍のレバレッジをかけられる」「下落相場でも利益を狙える」といったメリットがあります。
またマネックス証券などの大手証券会社で取引ができるので、見知らぬ仮想通貨取引所を利用するのがこわい方にも向いているでしょう。
レバレッジ手数料などのコストに注意しつつ、暗号資産CFDを始めてみてはいかがでしょうか。
※ライター:庄子 鮎