「そもそもレバレッジって何?」
「CFDのレバレッジはどれくらいかけられるの?」
CFDやFXの解説記事でよく出てくる「レバレッジ」という単語ですが、「正直あまり分かっていない」という人も多いのではないでしょうか?
CFDの大きな特徴である「レバレッジ」を理解してCFDに挑戦すれば、通常の株取引より大きな利益を上げるチャンスが増えるかもしれません。
そこで今回は実際にCFDをしている筆者が「レバレッジ」をイチから解説していきます。
各証券会社のレバレッジ比較や、2021年1月からCFDの取扱を開始した楽天証券についても紹介しているので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
1.CFD(差金決済取引)とは
CFDとは「Contract for difference」の頭文字をとった用語で、「差金決済取引」と訳されます。
CFDでは、「手元にある資金額=株を買える金額」である現物取引と異なり、レバレッジをかけられるため、より大きな利益を狙うことが可能です。
レバレッジについてはレバレッジとは:「取引額>預けた金額」ができる仕組みで詳しく解説しますね!
CFDは「なんだか馴染みが薄い」と感じる人もいるかもしれませんが、実はFXもCFDの一種で、CFDとFXの仕組みは同じなんですよ!
CFDとFXは同じ仕組みだが、取引対象が異なる。
- CFD→通貨以外の「株価指数」や「個別株」、「商品」などを取引
- FX→「通貨」を取引
▼▼CFDについてイチから知りたい方はこちらをチェック▼▼
2.レバレッジとは「取引額>預けた資金」ができる仕組み
そもそも、レバレッジは「てこの原理」を意味する言葉で、「小さな力で大きな効果を生む」という意味があります。
CFDにおけるレバレッジとは、証券会社に担保として預けた「証拠金」の何倍もの金額を取引することを指します。
例えば現物取引の場合、10万円の資金を用意したとして、取引できる金額は最高10万円です。
一方、CFDの場合はレバレッジをかけられるため、同じ10万円の資金を使って、50万円~500万円分の取引が可能です。
かけられる最大レバレッジは取引する銘柄によって異なります。
銘柄 | 最大レバレッジ |
個別株(トヨタ・アップルなど) | 5倍 |
株価指数(日経平均株価・NYダウなど) | 10倍 |
商品(金・原油など) | 20倍 |
債券(日本国債・米国10年国債など) | 50倍 |
※レバレッジは上記を最大とし、証券会社により異なる
このように、銘柄のリスクが少ないほど、かけられるレバレッジは高くなります。
例えば、50万円を証拠金として証券会社に預けたとして、個別株の場合は最大250万円分(50万円×レバレッジ5倍)、株価指数の場合は最大500万円分(50万円×レバレッジ10倍)の取引ができます。
(1)レバレッジのメリット:少額で大きな金額を取引できる
レバレッジをかけることで、例え少額しか準備できなくても、預けた金額の~50倍の金額を取引でき、その分利益を大きくすることができます。
CFDと現物取引の利益額の差をイメージするために、同じ50万円でCFD(個別株・株価指数)と現物取引をした場合とで利益額を比較してみましょう。
投資対象の値上がり率 | 利益額 | ||
CFD(個別株) | CFD(株価指数) | 現物取引 | |
3% | 7万5,000円 | 15万円 | 1万5,000円 |
5% | 12万5,000円 | 25万円 | 2万5,000円 |
10% | 25万円 | 50万円 | 5万円 |
20% | 50万円 | 100万円 | 10万円 |
※現物取引は50万円、CFDの個別株は250万円(50万円×レバレッジ5倍)、CFDの株価指数は500万円(50万円×レバレッジ10倍)を取引したと仮定。イメージをつかんでいただくため、各種手数料・コストは考慮しないものとする。
このように、証券会社に預けた金額が同じだとしても、CFDは現物取引に比べて大きな利益を上げられます。
ただ、実際はCFDには「オーバーナイト金利」という現物取引にはかからないコストがかかることがあるため、利益額は上記の数字よりは減ってはしまうことも。
それでも、レバレッジをかけられる分、CFDは現物取引に比べて大きな利益を狙えるため、リスクを負ってもハイリターンを狙いたい人にはCFDがおすすめです。
▼▼オーバーナイト金利など「CFDのコスト」を知りたい方はこちら▼▼
(2)レバレッジのメリット:余った資金で他の銘柄へも投資可能
レバレッジをかけることで、同じ金額を取引するために必要な資金がぐっと下がり、さらに余った資金を使って他の銘柄への投資も可能になります。
例えば、現物取引で100万円の取引を行う場合、100万円を用意しなければいけません。
一方、レバレッジ5倍をかけられるCFD(個別株)であれば20万円、レバレッジ10倍をかけられるCFD(株価指数)であれば10万円を用意すれば、100万円分の取引ができます。
もし100万円分の取引をしたいと100万円を用意したとすると、CFD(個別株)をすれば最大80万円、CFD(株価指数)では最大90万円の資金が余りますので、余った資金で他にも色々投資ができそうですね。
(3)レバレッジの注意点:利益だけでなく損失も大きくなるリスクがある
レバレッジをかけることで、より大きな利益を狙える一方、相場がポジションと逆の動きをした際には、損失も大きくなってしまいます。
例えば100万円を使って、銘柄Aを1,000円を買い、そのあと990円に下がった(1%の下落ですね)場合の損失額を考えてみましょう。
この場合、現物取引であれば100万円で銘柄Aを買って、1%の下落ですから1万円の損失で済みます。
一方、CFD(個別株)では500万円分(100万円×レバレッジ5倍)まで、CFD(株価指数)では1,000万円分(100万円×レバレッジ10倍)まで銘柄Aを買えるため、損失はそれぞれ5万円(個別株)、10万円(CFD)と現物取引よりも大きくなります。
このようにレバレッジをかける分、損失もそれだけ大きくなってしまうのです。
大きな損失を被るリスクを避けるには、取引金額に注意することが大切です。
レバレッジをかけるにせよ、かけないにせよ、取引金額が同じであれば、損失金額は基本的には同じです(現物取引で100万円の取引をしても、レバレッジ10倍かけて100万円の取引をしても、下がったときの損失は同じですよね)。
CFDにせよ現物取引にせよ、どれくらい下がったら、どれくらいの損失が発生するのかを把握した上で、取引するようにしましょう。
3.CFDができる証券会社のレバレッジを比較してみた
ここでは、CFDができる証券会社のレバレッジを比較してましょう。
銘柄 | レバレッジ | ||||
IG証券 | GMOクリック証券 | サクソバンク証券 | PayPay証券 | DMM.com証券 | |
個別株 | 5倍 | 5倍 | 5倍 | 5倍 | – |
株価指数 | 10倍 | 10倍 | 10倍 | 10倍 | 10倍 |
商品 | 20倍 | 20倍 | 20倍 | – | 20倍 |
債券 | 50倍 | – | 50倍 | – | – |
今回比較した証券会社のレバレッジは、どの銘柄も同じでした。
レバレッジは、レバレッジとは:「取引額>預けた資金」ができる仕組みで挙げた最大レバレッジを越えない範囲で証券会社が決められるのですが、筆者の印象だと、最大レバレッジと同じ倍率にしている証券会社が多い印象です。
4.楽天証券がCFDの取扱を開始!今後国内大手ネット証券も続々参入?
2021年1月より、楽天証券がCFDの取扱をスタートしました。
不動の口座開設数No.1である「SBI証券」を猛追しているネット証券・口座開設数No.2の「楽天証券」がCFD参入ということで、SNS上でも話題になりました。
https://twitter.com/ellie_andante/status/1342731498424659968
楽天でCFDが始まってたのか
【2021年開始】楽天証券のCFDってどうなの?MT4でトレードできるCFD口座https://t.co/mOw3Sz4E7z
— オレ的ゲーム速報JIN@FX・株投資部 (@oreteki_douga) April 15, 2021
大手ネット証券の楽天証券がCFDの取扱を開始したということで、これから国内証券会社のCFD参入が期待できますね!
(1)楽天証券で人気の取引ツール「MT4」が使える!
楽天証券でCFDをする大きなメリットに、世界的に人気の取引ツール「MT4」を使える点が挙げられます。
「MT4」は50種類以上のテクニカル指標を搭載しているほか、オリジナルテクニカル指標の作成、自動売買プログラムを利用した自動売買取引など多彩な機能を利用することができます。
「MT4」目的で口座開設するくらい人がいるくらい、人気があるんですよ!
中上級者向けの取引ツールではありますが、CFDに慣れてきたらぜひ使ってみたいツールです。
(2)楽天証券CFDの取引銘柄
楽天証券ではCFDで、以下の価格と連動を目指した銘柄を取り扱っています。
- 日経平均株価
- NYダウ
- S&P500
- ナスダック100
- イギリスFTSE100
- ドイツDAX
- ユーロストック50
- 金
- 銀
- 原油
このように先進国の株価指数と、代表的な商品を取り扱っています。
銘柄数が絞ってあるため、「何に投資をしたら良いのか分からない」「銘柄が多すぎて決められない」という人にはちょうど良いですね!
なお、株価指数の最大レバレッジは10倍、商品は20倍です。
(3)楽天証券CFD:CFDの始め方
楽天証券のCFDの始め方は、以下のとおりです。
- FX口座を開設(CFD口座を開設するにはFX口座が必須)
- CFD口座を開設
- 「MT4」をダウンロード
- CFD口座へ入金
- CFDを開始!
案内に従って各種情報を入力していき、最短5分で口座申込を完了できます!
FX・CFDの口座開設手順は以下のとおりです。
- 楽天証券 FX専用口座の申込みにアクセス
- 名前・住所・投資経験など本人情報の入力
- 本人確認書類の提出
- ログインIDの受け取り&FX口座開設完了
- マイページにログインし、CFD口座の申込みをする
なお、FX以外に株取引などもする人は総合口座の申込みから総合口座を開設し、FX・CFD口座をすることも可能です。
楽天証券では申込から最短翌営業日から取引開始できますよ!
レバレッジを理解してCFD取引をしよう!
CFDの大きな特徴である「レバレッジ」は、より大きな利益を得られる仕組みである一方、損失も大きくなる恐れがあります。
そのため、レバレッジをかけて、自分のキャパシティ以上の取引金額で売買しないようにすることが大切です。
レバレッジをうまく活用し、CFDをしてみてはいかがでしょうか。
※ライター:庄子 鮎