投資アプリのユーザー間で交流できる「SNS型投資アプリ」が最近話題です。
米国のSNS型投資アプリ「ロビンフッド」は、20〜30代の若者を中心に約1,300万人と多数のユーザーを抱えています。
特にコロナ禍の昨年は、熱狂的なロビンフッドユーザーの行動が株価にも影響を及ぼすなど、社会現象にもなりました。
ユーザー間でどのようなコミュニケーションが行われているのか、気になりますね。
日本にもSNS型投資アプリがあり、個人投資家どうしのコミュニケーションも盛んです。この記事では日本発のSNS投資アプリ「STREAM」と「ferci」について徹底比較・解説します。
個人投資家と情報交換しながら株式の取引をしてみたい方は、参考にされてください。
※この記事は、2021年6月現在の情報を基に執筆しています。
SNS型投資アプリ「STREAM」と「ferci」を比較
STREAM(ストリーム)の運営会社である株式会社スマートプラスは、大和証券と資本業務提携の関係にある証券会社です。
それに対しferci(フェルシー)は、マネックス証券が運営するSNS型投資アプリになります。
両者ともコメントやユーザー間のフォローを通じてつながれる「コミュニティ機能」がサービスの軸です。
[STREAMとferciのサービス比較]
STREAM | ferci | |
---|---|---|
運営会社 | (株)スマートプラス | マネックス証券(株) |
SNS機能 | ・コミュニティ機能 ・銘柄別掲示板 ・テーマ別掲示板 ・外部SNSシェア機能 |
・コミュニティ機能 ・銘柄別掲示板 ・クチコミ投稿 ・外部SNSシェア機能 |
アプリ対応OS | iOS/Android | iOSのみ |
取引単位 | 100株(現物取引・信用取引) | ・1株(単位未満株) ・100株(現物取引) |
取扱商品 | ・国内株式(ETF、REIT含む) ・米国株式(2021年7月より) |
国内株式のみ |
取引手数料 | 現物取引:無料 信用取引:無料(別途貸株料、金利あり) |
マネックス証券の手数料に準じる 単位未満株(ワン株):買付手数料0円、売却手数料:約定代金の0.55% 現物取引:取引毎・一日定額の2コースあり |
さっそく両者の特長を見ていきましょう。
STREAM:書き込みやすい掲示板機能、手数料0円が魅力
(画像出典:STREAM)
STREAMはコメントを書き込みやすい掲示板機能と、情報収集しやすいタイムラインが特長のSNS型投資アプリです。
キャッチフレーズは「ずーっと手数料無料のコミュニティ型株取引アプリ」。取引手数料が0円なのも大きな魅力です。
SNS機能はトピックがわかりやすく、書き込みも活発
基本的には銘柄やテーマごとの「掲示板」に、お題に沿ったコメントを書き込んで交流します。
「株テーマ掲示板」など週替わりでテーマが変わる掲示板も用意されており、最初は口コミを見ているだけでも勉強になりますよ。
書き込まれたコメントは新着順や注目度など、複数の「ストリーム」(タイムライン)に並べ替えられて表示されます。
(画像出典:STREAM)
そのため銘柄やテーマによらず、最新情報や注目の口コミをいつでもチェック可能です。
他にも「ニュース」「Twitter」「適時開示」など、STREAM外の情報を収集できるストリームも用意されています。
コメント書き込みの頻度が多く、時にはオフラインでのつながりがあるのもSTREAMの特長です。
STREAMは2021年6月から、東京の投資家バー「STOCK PICKERS」に協賛しています。さらにオフラインでの交流が深まりそうですね。
▼投資家バー「STOCK PICKERS」オーナー上原さんのインタビューはこちら!
取引手数料はなんと0円!米国株の取引も開始予定
STREAMでは、約定回数や取引金額によらず取引手数料が0円。
STREAMには単元未満株の取扱がなく、取引は100株単位でまとまった金額となります。そのため手数料0円は大きな魅力です。
さらに2021年7月上旬には「STREAM米国株」サービスがリリース予定です。取引のバリエーションが大きく広がりますね。
アプリでコメントの書き込みや株の取引をするには、運営元の「スマートプラス」に証券口座の開設が必要です。手続きはアプリから、約3分で終わります。
2021年9月末まで、口座開設時に最大5,000円分の株がもらえる「株ロト」キャンペーンを開催中です。口座開設を考えている方は要チェックですよ!
ferciは初心者に優しく、1株から取引できる手軽さ
(画像出典:ferci)
ferciは株式投資に慣れていない方にも、直感的にわかりやすいSNS型投資アプリです。
株の売買にはマネックス証券のサービスを利用し、1株から取引ができます。
Twitter感覚でつぶやけるSNS型投資アプリ
SNS部分では「クチコミ」と呼ばれるコメントを通じてコミュニケーションします。クチコミはコメントしたい銘柄がなくても、Twitterのような感覚で気軽に投稿可能です。
書き込まれたクチコミは「新着」「フォロー」「注目」など、いくつかのタイムラインにまとめて表示されます。
筆者が実際に「よろしくお願いします」と書き込むと「新着」の投稿にすぐ表示され、いくつか「いいね」をもらいました。
クチコミが書き込まれる頻度は現在のところSTREAMに比べてやや見劣りし、今後の活性化が期待されます。
株の銘柄の画面は、株価チャートと銘柄についてのクチコミから構成される、シンプルな画面です。
口コミを見ながら株を買える、Amazonの商品ページのようで親しみやすいですね。
マネックス証券「ワン株」を利用し1株から売買可能
株の取引は、マネックス証券の特定口座を利用して行います。マネックス証券の口座開設はferciを通じ、約10分で手続き可能です。
取扱銘柄は国内株式のみで、外国株を扱う予定は現在のところありません。
単位未満株の取引サービス(ワン株)があるため、ferciでは1株から取引可能です。ferciで単位未満株を買い付けると株主になれるため、1株優待の対象にもなりますよ。
さらに2021年7月より、ワン株の買付手数料は0円、売却手数料は約定代金の0.55%になります。少額投資ではLINE証券(グループA)に次ぐ手数料の安さです。
現物取引(100株)の手数料もマネックス証券のサービスに準じています。手数料のプランは、取引ごとに手数料のかかる「取引毎手数料コース」と、約定回数によらない「一日定額手数料コース」の2通りです。
▼マネックス証券については、こちらの記事が参考になります!
「お金のSNS」がキャッチフレーズ「みんなの銀行」
証券会社だけでなく、最近は銀行にもSNSを意識したサービスが登場しています。
2021年6月にサービスが開始された「みんなの銀行」は、若いユーザーを対象に1からサービスを構築した「デジタルバンク」。
QRコードによるユーザー間での送金無料機能もあり、利用者が増えるほど便利に使える銀行サービスです。
▼みんなの銀行についてはこの記事をチェック!
まとめ
日本発のSNS型投資アプリ「STREAM」「ferci」について解説しました。
投資するとき相談・交流できる相手がいれば、より充実した投資生活を送れますね。特に初心者であれば、他の投資家の投資方法が大いに参考になることと思います。
1点注意したいのは、投資判断は最終的には「自己責任」ということ。書き込みやアドバイスを参考にして損失が出ても、すべて自分の投資判断です。
多角的な視点から情報を捉え、ベストな答えを自分自身で見つけてくださいね。
SNS型投資アプリをうまく使いこなし、楽しく投資していきましょう!
※ライター:鳥飼千愛