「CFDのオーバーナイト金利って何?」
CFD投資家である筆者も最初は上記のような疑問から、証券会社に何回も問い合わせをしたり、自分で調べたりしていました。
オーバーナイト金利とは、「銘柄を売ったまま、または買ったままの状態で決済せず、日をまたいだときに証券会社へ支払ったり、逆に受け取れる金利」のこと。
オーバーナイト金利は日々かかる取引コストにもなるため、CFDで利益を上げるためには、ぜひ理解しておきたいところです。
この記事では、CFD投資家である筆者がCFDのオーバーナイト金利について解説していきます。
「オーバーナイト金利についてわかりやすい解説が読みたい!」という方は、ぜひこのまま読み進めてくださいね。
オーバーナイト金利とは:日をまたいだ際に発生する金利のこと
「オーバーナイト金利」とは、銘柄を売ったまま、または買ったまま決済しない状態で、日をまたいだ際に発生する金利のこと。
基本的にはオーバーナイト金利は、買いポジション(銘柄を買った状態)で日をまたいだ際に支払い、売りポジション(銘柄を売った状態)で日をまたいだ際には受け取ります(ただし、売りポジションでも支払うケースもあります)。
例えば、年2.5%のオーバーナイト金利がかかるとして、10万円のポジションを持った場合には、1日あたり約684円(10万円×約0.00684%(2.5%÷365日)=684円/日)の受け渡しが発生することになります。
オーバーナイト金利が発生する理由
オーバーナイト金利が発生する理由は、「投資家は証券会社からお金を借りてCFDをしているから」です。
CFDは元手資金の5倍~50倍大きな金額で売買できる取引です。そしてその取引金額は証券会社が貸与している形になります。
お金を借りるときには金利を支払うものですよね。
そのため、お金を借りて銘柄を「買う」際には金利を支払い、お金を貸している状態の「売る」際には基本的には金利を受け取ることになるのです。
オーバーナイト金利の呼び方は証券会社により異なる
実はオーバーナイト金利の呼び方は証券会社によって異なります。以下、大手5社のオーバーナイト金利の呼称について、まとめてみました。
GMOクリック証券 | PayPay証券 | DMM.com証券 | サクソバンク証券 | IG証券 | |
株価指数CFD | – | スワップポイント | オーバーナイト金利 | ファンディングコスト | |
商品CFD | 金利調整額 | – | キャリングコスト | ||
株式CFD | 金利調整額 | – | オーバーナイト金利 |
※「-」は取り扱いなし、もしくはオーバーナイト金利がかからない
このように証券会社によってオーバーナイト金利の呼称は異なりますが、いずれもポジションを日をまたいだ際に発生する金利を指します。
大手3社のオーバーナイト金利を確認してみよう
ここではサクソバンク証券とPayPay証券、GMOクリック証券のオーバーナイト金利を実際に確認してみましょう。
サクソバンク証券のオーバーナイト金利
サクソバンク証券のオーバーナイト金利は注文画面で簡単に確認できます。
上記は株価指数CFD「S&P500」と「日経平均株価」の注文画面です。
赤枠内を見てみると・・・
- S&P500→注文金額4,411ドルに対し、オーバーナイト金利が1日0.32ドルかかる
- 日経平均株価→注文金額2万7,692円に対し、オーバーナイト金利が1日2円かかる
ことが一目でわかりますね。どちらも年約2.65%のオーバーナイト金利がかかる計算になります。
PayPay証券のオーバーナイト金利
PayPay証券は日本株CFDにのみオーバーナイト金利(PayPay証券では金利調整額)がかかります。
PayPay証券の日本株CFDのオーバーナイト金利も取引画面から確認できます。上記赤枠内は、取引金額1万円あたりのオリエンタルランドとキヤノンのオーバーナイト金利です(マイナス表記は投資家の支払いになる)。
上記の例だと、売り・買いどちらもオーバーナイト金利を支払うことになりますね。例えば、7月29日に1万円のポジションを持ち、7月30日まで持ち越した場合には、取引金額1万円あたり2.98円のオーバーナイト金利を支払わなければいけません。
GMOクリック証券のオーバーナイト金利
GMOクリック証券のオーバーナイト金利はCFDの取引画面上で確認できます。
2021年8月1週目は、年2.93%~3.07%のオーバーナイト金利がかかることがわかりますね。
どの証券会社がオーバーナイト金利が低い?:総合的にはGMOクリック証券!
オーバーナイト金利を支払う場合は、オーバーナイト金利は低ければ低いほど、取引コストも低いことを意味するため有利になります。
ただこのオーバーナイト金利ですが、証券会社によって異なります。では大手5社のなかで、どこの証券会社のオーバーナイト金利が低いのでしょうか?
2021年8月の情報を基に、買いポジションの大手5社のオーバーナイト金利を比較してみました。
※オーバーナイト金利は銘柄・時期ごとに異なり、また下記%は概算でもあるので、あくまで参考程度にしてください。
GMOクリック証券 | PayPay証券 | DMM.com証券 | サクソバンク証券 | IG証券 | |
株価指数CFD | オーバーナイト金利はかからない | 14%程度~ | 2.5%程度 | 2.6%~2.7%程度(取引期限のあるものはかからない) | |
商品CFD |
2.9%~3%前後(原油や天然ガス、大豆など一部銘柄はかからない) |
– | 14%程度~ (原油はかからない) |
1.6%~1.7%程度 | |
株式CFD | 2.9%~3%前後 | 2.9%程度 | – | 2.5%程度 |
上記表より、銘柄別、オーバーナイト金利の観点からおすすめの証券会社は以下のとおりです。
- 株価指数CFD→GMOクリック証券 or PayPay証券が有利
- 商品CFD→銘柄によってはGMOクリック証券が有利
- 株式CFD→サクソバンク証券 or IG証券が有利
オーバーナイト金利の観点では、株価指数CFD・商品CFDで有利な「GMOクリック証券」が総合的におすすめです。
ただ株式CFDはサクソバンク証券やIG証券が有利であったりと、売買する商品によって、有利な証券会社は異なります。簡単にどの銘柄がどのような人におすすめなのかも解説しますので、証券会社選びの参考にしてください。
株価指数CFDがおすすめな人:リスクを抑えつつ、リターンも狙いたい人
株価指数CFDは日経平均株価やS&P500など、それぞれ対象とする株価指数と連動した値動きをします。そんな日経平均株価やS&P500といった株価指数は、何十~何百という銘柄で構成されています。
そのため、株価指数と連動した株価指数CFDに投資をするということは、何十~という銘柄に、リスク分散しながら投資をした場合と同じ分散投資効果を得ることが可能です。
リスクを抑えつつも、しっかりリターンを狙いたい人は株価指数CFDを検討しましょう。
▼株価指数CFDの取引におすすめはGMOクリック証券とPayPay証券▼
株式CFDがおすすめな人:大きなリターンを狙いたい人
株式CFDはトヨタやソニーなど、個別の株式に投資をします。株価指数CFDに比べて、値動きが大きい傾向にありますので、どちらかと言うと、大きなリターンを狙いたい人におすすめです。
ただし大きなリターンを狙える分、下落リスクも大きく、特にCFDはレバレッジをかける分、取引金額には注意が必要です。
▼日本株CFDについては以下の記事をチェック!▼
商品CFDがおすすめな人:リスクヘッジをしたい人
商品CFDは、金や銀、原油など、対象となる商品価格と値動きが連動します。商品と言って値動きの特徴はそれぞれ異なりますが、代表的な「金」は、一般的には株価と反対の値動きをすると言われています。
そのため、株価指数CFDや株式CFDを取引しつつ、リスクヘッジとしての金を取引するのも投資戦略として良いでしょう。そのほか、「銀」も株価との連動性は低いと言われていますので、リスクヘッジにはおすすめです。
▼商品CFDでおすすめのGMOクリック証券のインタビュー記事はこちら▼
オーバーナイト金利を理解し、CFDを始めよう!
オーバーナイト金利は基本的に買いポジションをとると日々かかってくる取引コストです。オーバーナイト金利に限らずですが、コストについてはしっかり理解した上で取引を始めることが大切です。
また、オーバーナイト金利は証券会社によって異なります。もちろん、オーバーナイト金利の高低だけでどの証券会社で取引するかを決めるわけではないかとは思いますが、証券会社を選ぶ一つの指標として必ず事前にチェックしておきましょう。
※ライター:庄子 鮎