人生の節目に大金を使ったり運用したりする人は多いのではないでしょうか。どのような状況でも、お金について基本的なことがわかっていると失敗を未然に避けられますし、損をしないで済みます。
『今さら聞けないお金の超基本』は、お金に関する初歩的な疑問を解消できる書籍です。
フルカラーでわかりやすく色付けされているのも特徴的。投資だけではなく、知っていればトクになる税金の知識や節約の方法、将来のことを考えた貯蓄についても、一から学べます。
ライフプランに応じた予算が書き込める
序盤で説明されているのは、お金の成り立ちの概要やなぜお金が必要なのかについて。知らなくてもいいと思う人もいるかもしれませんが、これらは人生にお金がどう影響を及ぼしているか知る上で、不可欠な知識です。
現状の支出バランスやライフプラン等に沿った予算、一か月に使えるお金を算出できるページもあります。実際に書き込めるようになっているため、読んでインプットをしながら、その場でアウトプットができるのです。
例えば支出バランスのページでは、「住居費」「通信・光熱費」など費目ごとに年額が書き込める表があり、各費目÷手取り収入で割合が算出できます。
横のページには「ライフステージによる平均的支出バランスの例」として平均の割合も載っていて、自分がどれほどのお金を何に使っていて、それが他の人たちと比べて多いのか少ないのか一目でわかります。
イラストや図が豊富。お金の流れがわかりやすい
文章でいくら説明されても、お金の基本的な知識がないとぴんとこないことが多々あります。しかし本書は図やイラストがたくさん掲載されているため、目で見てすぐにわかります。フルカラーの書籍なので大切なところは色がついていて、見逃す心配もありません。
例を挙げると、各種カードについて解説されたくだりでは、プリペイドカードは「前払い」、デビットカードは「同時払い」、クレジットカードは「後払い」と書かれています。カード会社やその加盟店、そして消費者との関係性が図で描かれているため、その違いがより明確にわかります。
買い物でクレジットカード払いを選ぶことが増え、後から請求額を見て驚いたことがある人もいるのではないでしょうか。適切なクレジットカードの使い方についてはその次のページに掲載してあります。
クレジットカードで支払った額を計算するのが面倒で、無計画に利用してしまい返済できなくなる……。そういった失敗を未然に防ぐ方法も解説されています。数字が苦手な人こそ読む必要があります。
「老後に備える」は必読!
今の生活にかかるお金は家計簿をつければ把握できますが、老後、どのくらいの額のお金が何に使われるのかはイメージしにくいのではないでしょうか。本書は老後資金の総額だけではなく、「食費」「住居費」「医療費」「教養・娯楽費」などの項目に分かれているため、月ごとに必要となる金額が試算できます。
その次のページでは、実際に必要な金額を書き込んで、自分の老後の生活が赤字なのか黒字なのかを調べられます。何かと不安なことが多い世の中で、将来、年金がどのくらいもらえるかわからず不安になっている人はたくさんいるでしょう。そういった人たちにとって、今後のマネープランを立てるための大きな材料になるはずです。
『今さら聞けないお金の超基本』があれば困ったときに役立つ
人生とお金は密接に関わっています。「お金のことはよくわからないから」「数字が苦手だから」と知らないでいると、損をしたり、将来的に困窮したりすることもありえます。
本書の大きな特徴は「わかりやすさ」。楽しみながら、そして実際に書き込みながら読み進めるうちに、新たな発見や得する情報が得られるでしょう。
書籍名 | 節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本 |
著者 | 坂本 綾子 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
出版年 | 2018年 |
※ライター:若林理央