所得税の計算方法は?節税方法や便利な計算ツールもご紹介!

「所得税の計算方法を知りたいけど計算が難しそう……」

という悩みがある方も多いのではないでしょうか。

個人事業主はもちろん、会社員の方も自分の所得税を把握しておくと、節税対策などに役立ちます。

そこで今回は、所得税の計算方法や節税方法について詳しく解説します。

e-Taxがあれば、お得で簡単に確定申告が可能です。

また、面倒な所得税の計算がすぐに行える計算ツールもあわせてご紹介しますので、税金計算の参考にしてください。

※確定申告について知りたいときは、こちらもチェック

1.所得税の計算方法について

所得税計算1

所得税はその名の通り、所得に対して課税される税金です。

ここでは、所得税の概要や具体的な計算方法について解説します。

(1)所得税とは

所得税は個人の所得に課税される税金です。

所得税は個人の収入に対して単純に課税するわけではなく、医療費や社会保険料などの控除分を差し引いた「課税所得」に対して課税されます。

また、平成25年から令和19年までの期間は、復興特別所得税を所得税と一緒に申告し、納付する必要があります。

所得税計算における「所得」とは、以下の10種類に分けることができます。

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

(2)所得税の計算方法

また、所得税を計算するには、所得控除の種類を知る必要があります。

所得控除は、例えば以下のようなものがあげられます。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • ひとり親控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除

このうち「基礎控除」は全ての人に適用される控除のことで、以下のように個人の所得金額に応じて異なります。

個人の合計所得金額 基礎控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

所得からこれらの控除を引いた分が「課税所得」となります。

2.所得税の計算事例

所得税計算2

ここでは、所得税の具体的な計算事例をご紹介します。

課税所得額がわかったら、以下の計算表に基づいて実際に課税される額を計算しましょう。

課税所得額 控除額 所得税率 計算式
1,000円〜194万9,000円 0円 5% 課税所得額×0.05
195万円〜329万9,000円 9万7,500円 10% 課税所得額×0.1-9万7,500円
330万円〜694万9,000円 42万7,500円 20% 課税所得額×0.2-42万7,500円
695万円〜899万9,000円 63万6,000円 23% 課税所得額×0.23-63万6,000円
900万円〜1,799万9,000円 153万6,000円 33% 課税所得額×0.33-153万6,000円
1,800万円〜3,999万9,000円 279万6,000円 40% 課税所得額×0.4-279万6,000円
4,000万円〜 479万6,000円 45% 課税所得額×0.45-479万6,000円

※「No.2260 所得税の税率(国税庁)」を参考に作成

所得税の計算方法
  • 課税所得がわかったら上記表に基づいて計算
  • 会社員は給与所得控除を使った計算
  • 個人事業主は事業所得を使った計算

(1)事例①会社員の所得税の計算方法(給与所得控除を使った計算)

会社員などの給与所得者の場合は、上記計算表のほかに給与所得控除額も求める必要があります。

収入金額(給与、給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
~162万5,000円 55万円
162万5,001円~180万円 収入金額×40%−10万円
180万0,001円~360万円 収入金額×30%+8万円
360万0,001円~660万円 収入金額×20%+44万円
660万0,001円~850万円 収入金額×10%+110万円
850万0,001円~

195万円(上限)

※「No.1410 給与所得控除(国税庁)」を参考に作成

例えば、給与所得が600万円のサラリーマンの場合、以下のような参考例をあげます。

総所得:600万円

給与所得控除:164万円 =600万円×20%+44万円
社会保険料控除:65万円
基礎控除:38万円
所得控除計:267万円

課税所得額:333万円=600万円-267万円

課税額:23万5,000円=333万円×10%-9.75万円

今回は控除を最低限の項目だけにしていますが、場合によっては配偶者特別控除などの項目も加わり、さらに課税所得額は低く抑えられることもあります。

(2)事例②個人事業主の所得税計算方法(事業所得を使った計算)

次に、自営業などの個人事業主の場合について見てみましょう。

総所得が500万円(収入800万円-経費300万円)、妻がパートをしており、iDeCoを活用している家計の場合、以下のような参考例があげられます。

社会保険料控除:65万円
基礎控除:38万円
配偶者控除:36万円
iDeCo控除:48万円
所得控除計:187万円

課税所得額:313万円=500万円-187万円

課税額:21万7,500円=313万円×10%-9.75万円

個人事業主の場合は給与所得ではなく事業所得となるため、収入から経費を差し引いた分を所得として計算します。

3.会社員でもできる!所得税を減らす方法

所得税計算3

「節税」と言うと個人事業主などが行うイメージかもしれませんが、会社員でも様々な控除を利用することで所得税を減らすことができます。

ここでは、扶養控除、医療費控除、ふるさと納税などをご紹介します。

(1)扶養控除で所得税を減らす

高校生以上の子どもを扶養している家庭の場合、所得税の計算時に扶養控除を受けられます。

ただし、扶養控除は子どもと親が同居しており、本人が家族の生活費を支えていることが条件となります。

また、夫婦ともに働いている場合は、収入が高い方に扶養控除を受けましょう。

所得税は高所得になるほど税率も高くなるため、高所得者に控除を適用した方がお得です。

(2)医療費控除

医療費控除は、自分や家族の医療費を10万円(※)を超えて支払った場合、最大で200万円まで控除される制度です。

会社員は一般的に確定申告は行いませんが、医療費控除を受けるためには確定申告が必要なため、忘れずに手続きしてください。

医療費控除として認められるものとしては、以下のような項目があります。

  • 病院、歯医者の治療費
  • 通院費
  • 処方箋が必要ない市販の薬(ビタミン剤などは対象外)
  • 介護老人施設費用
  • 妊婦の定期検診費用

これらの費用がかかった場合、会社員であっても確定申告することで控除が受けられます。

※その年の所得金額が200万円以下の場合は、所得額の5%

(3)ふるさと納税

ふるさと納税は、全国から任意の自治体を選び寄付をすることで、寄付金控除を受けられる制度のことです。

ふるさと納税では所得控除の対象となるだけでなく、寄付の返礼品としてその地域の特産物を貰うことができます。

ふるさと納税を行うと、自己負担額である2,000円を除外した全額が控除対象とされ、ふるさと納税を行った年の所得税から控除されます。

なお、自営業者やフリーランスがふるさと納税を行った場合は確定申告が必要ですが、会社員など給与所得者の場合は、寄付先を年間5自治体以下にすると「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の対象となり、確定申告が必要ありません。

確定申告の手続きが面倒なら、寄付先は5つ以下に抑えてお得に節税しましょう。

4.個人事業主の所得税を減らす方法

所得税計算4

個人事業主の場合は、確定申告の方法やiDeCoなどで所得税を減らすことが可能です。

特にiDeCoなどは退職金がない個人事業主にとって大切な老後資金になることも考えられますので、ぜひ運用したいところです。

(1)青色申告特別控除が所得税を減らす効果あり

2020年分以降の所得税から、確定申告において青色申告を行った場合65万円、55万円、10万円の3種類の控除のうちいずれかが適用されることになりました。

65万円の控除を受けるためには、電磁的記録の保存とe-Taxによる電子申告の2つを行うことが必要です

e-Taxを利用するためには、電子証明書が搭載されているマイナンバーカード等が必要となるため、まだお持ちでない方は早めに手続きしておきましょう。

(2)iDeCoや小規模企業共済への加入で所得税を減らす

個人型確定拠出年金の「iDeCo」は、専用口座を開設して毎月自分で投資信託や預貯金による運用を行う制度です。

iDeCoは毎月支払う掛金分が所得税の控除対象となり、控除分は年末調整に上乗せされるかたちでお金が戻ってきます。

また、小規模企業共済に加入し、毎月掛金を支払うと、支払った掛金の全額が確定申告の際に控除となるため、所得税の節税効果が期待できます。

小規模企業共済は、従業員数が20人以下の個人事業主や会社の役員に加入資格があります。

5.確定申告の方法

所得税計算5

確定申告にはある程度時間がかかるため、あらかじめ準備が必要です。

ここでは、確定申告が必要な人、提出方法、便利なサービスについてご紹介します。

(1)確定申告が必要な人

以下に該当する方は確定申告が必要です。

  • 個人事業主で事業収入がある方
  • 不動産や株による収入がある方
  • 競馬の払戻金や賞金などの一時所得がある方
  • 退職所得があり、「退職所得の受給に関する申告書」を申告していない方

個人事業主は所得が38万円以上ある場合に、確定申告が必要です。

また、不動産や株の収入も38万円以上の収入で確定申告が必要ですが、株の口座では自動で源泉徴収が行われる特定口座もあるため、この場合は申告は不要です。

(2)確定申告の提出方法

確定申告の提出方法は、税務署の受付に提出する方法、郵送により提出する方法、e-Taxによる申告の3つがあります。

受付に提出する場合は、税務署の営業時間外であっても時間外収受箱に投函することで提出することができます。

また、郵便で税務署に送付する場合は「第一種郵便物」か「信書便物」で郵送する必要があり、通信日付印記載の日付を提出日と見なします。

(3)確定申告にはe-Taxが便利

確定申告の中でも、e-Taxでの申告は非常に便利です。

e-Taxには以下のメリットがあります。

e-Taxのメリット
  • 税務署に行くことなく確定申告が可能
  • 申告書、添付書類などもオンラインで完結するためペーパーレス化できる
  • 書面による申告より還付金を早く受け取ることができる
  • 納税証明書の交付請求手数料が書面請求の場合より安価

国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーでは、スマホやタブレットでも所得税の確定申告書を作成することができます。

窓口や郵送による申告より手続きにコストがかからないため、できればe-Taxを利用するようにしましょう。

6.所得税を自動計算してくれる!会社員におすすめの確定申告ツール

所得税計算6

面倒な所得税の計算を自動でしてくれる便利なツールに、「やよいの白色申告オンライン 」があります。

弥生は21年連続でBCN AWARD(業務ソフト部門)最優秀賞を受賞している、実に“2人に1人が使う”業務ソフトです。

「やよいの白色申告 オンライン」は初期費用・月額が無料なので、安心して使い続けることができます。

また、日付や金額など家計簿感覚で入力することができたり、ガイダンスに沿って入力するだけで書類作成や控除額を自動計算が可能であるなど、初心者にやさしい機能が充実しています。

白色申告は経理作業に苦手意識がある初心者や普段申告をしない会社員に向いている申告方法であるため、はじめての申告作業にはもってこいのツールです。

「弥生の白色申告」公式サイトを確認

※個人事業主なら「やよいの青色申告オンライン 」もおすすめです。

7.個人事業主におすすめの確定申告ツール

所得税計算7

個人事業主の場合は、できるだけわかりやすく効率的に確定申告ができるツールがおすすめです。

ここでは、会計freee(確定申告)とマネーフォーワードクラウド確定申告をご紹介します。

(1)会計freee(確定申告)

会計freee(確定申告)は、クラウド会計シェアNo.1ソフトであり、100万ユーザーが利用している人気クラウド会計ソフトです。

freeeはスマートフォン・タブレット専用アプリが用意されているため、領収書の管理から確定申告までスマホで完結させることができる点が人気の理由です。

また、銀行・クレジットカードと連携して自動処理が可能なため、簡単に確定申告の準備ができます。

「会計freee」公式サイトを確認

(2)マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告は、連携可能な銀行やクレジットカードなどの金融関連サービス数は国内No1の3,600以上と、最も幅広く自動入力が利用可能なクラウド会計ソフトです。

人工知能(AI)がビッグデータを元に勘定科目を提案してくれるため、面倒な作業を効率化することができます。

また、マネーフォワード クラウド確定申告では登録後1か月間全ての機能を利用できるトライアル期間が設けられています。

「まずは試したい」という方は、トライアルを試してみてください。

「マネーフォワード」公式サイトを確認

まとめ

今回は所得税の計算方法や確定申告の方法についてご紹介してきました。

所得税は自分である程度計算できるため、今回ご紹介した表などを元にご自身で課税額を算出してみてください。

所得税などの確定申告の際は、確定申告ツールを使って効率よく作業することをおすすめします

無料で試せるものもあるので、ぜひ一度使ってみてください。

※ライター:江連良介

渡辺 広康

渡辺 広康公認会計士・税理士

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【監修者】在学中に公認会計士資格を取得。金融機関等へのコンサルティング業務を経験し、M&Aや会計コンサルティング業務、投資・資産運用に対するアドバイザリー業務を行っている。

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