2021年の株式相場はどうなる?米国と日本の株式市場の見通しを解説

新型コロナウイルスの感染拡大は続いていますが、2021年の株式市場は好調なスタートを切りました。米国のNYダウは節目の30,000ドルを大きく超え、過去最高値を更新。日経平均株価も29,000円に迫り、1990年以来およそ30年ぶりの高値となっています。

ただ、2021年の干支は「丑(うし)」。株式市場の格言は「丑つまずき」です。株式市場はこのまま好調を維持し、日経平均株価も30,000円の大台を目指すのでしょうか。

米国株の動向

まずは、米国市場の見通しから解説します。日本の株式市場は米国市場の動向に大きな影響を受けるからです。1月5日におこなわれたジョージア州での上院決選投票では、民主党が2議席を獲得し、同党が上下両院で過半数を占める「ブルーウェーブ」が実現しました。

これにより、バイデン政権の追加経済対策やインフラ投資拡大などが見込まれることから、米国株は大幅に上昇。NYダウ、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数など米国の主要3指数はいずれも過去最高値を更新しました。

そしてバイデン大統領は、14日に1.9兆ドル(約200兆円)規模の経済対策を発表。昨年春からのコロナ対策は合計で5兆ドル規模となり、GDPの25%に相当します。主要国の中でも断トツの規模となります。

当然、企業業績には追い風です。NYダウなど米国株株価指数は過去最高値を更新しており、今後も上昇が期待されます。

米長期金利の上昇には警戒が必要

ただし、景気回復のペースが速くなると、米国の金利が上昇するリスクがあります。米連邦準備制度理事会(FRB)は、2023年まで金融緩和を継続するガイダンスを示していますが、景気回復が経済指標などで確認できれば金融緩和の終焉を意識する発言がでる可能性もあります。

長期金利が上昇すると、とくにPER(株価収益率)が高いハイテク株は割高感が意識されやすくなるので警戒が必要。GAFA(グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)など、米国株式市場をけん引してきた銘柄に売りがでやすくなるからです。

ただ1月14日のオンライン会議で、パウエルFRB議長は国債など資産購入の縮小観測に関して「今は議論するときではない」と否定。金融緩和継続の姿勢を示唆しました。2021年になり、米国10年債利回りは1.1%台まで上昇していますが、マーケットでは年内に1.5%が上限というのを意識しています。米国10年債利回りが1.5%を超えてくるような状況になると、警戒が必要です。

新型コロナウイルスの感染拡大が株式市場に与える影響

2021年になっても新型コロナウイルスの感染拡大は続いています。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の死者は1月に200万人を超え、米国が最多。世界の感染者数は9,340万人を上回っています(2021年1月16日時点)。

ただ、ワクチンも治験を終え、医療従事者などから段階的に投与が始まることで、終息に向けた期待感が高まりそうです。そして、時間の経過とともに世界経済はゆっくりと正常化に向かうことが予想されます。

ただし、年内に終息する可能性は低いため、各種の制限は残ります。ですから、緩やかな景気回復となるでしょう。そして緩和的な金融環境が続くことによって、株式市場の環境が良い「適温相場」の形成が期待できます。

しかし、ワクチンに問題が発生した場合や、新型コロナウイルスの感染拡大ペースが落ちない場合は警戒が必要です。マーケットが織り込む景気や業績回復期待は修正せざるをえなくなるからです。

その場合は、各国による追加の金融緩和や景気対策がすばやくおこなわれるかどうかがポイントになります。その場合は、株式市場の上値が重くなる可能性があるので警戒が必要です。

日本株の動向

日経平均株価は29,000円が目前となり、30年ぶりの高値を更新。30,000円の大台も視野に入ってきました。日本でも新型コロナウイルスの感染拡大は続いていますが、いずれはピークアウトしていくと予想されます。

ただ、日本でも完全に終息することはないので、「ウィズ・コロナ」時代とどう付き合っていくかが課題になりそうです。

旅行や飲食、エンターテインメントなどの分野は以前の状態に戻るのは難しいでしょう。しかし、米国大統領選という不透明感がなくなったことによる米国経済の回復や、中国の景気回復に伴う輸出や生産が回復し、製造業の企業業績改善が期待できます。

また、リモートワーク需要やDX(デジタルトランスフォーメーション)など、新たに生み出される産業の成長も見込まれます。そして、日本には米国のようなグローバルに展開できるIT企業は育っていませんが、2020年に始まった5G(第5世代移動通信システム)を活かした、新しいビジネスモデルを創る企業が増えていくかも注目です。

国内総生産(GDP)がコロナ以前に戻るのは難しいでしょうが、金融相場と企業の業績拡大によって景気が回復方向にあるという認識が広まれば、日経平均株価が3万円台を年内に突破する可能性は十分にあるでしょう。

山下 耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社で営業・マーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。保有資格は証券外務員一種。Twitter:@yanta2011

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