株や投資信託に投資して売却すると、その利益に対して約20%の税金がかかります。
ではポイ活などで集めたポイントにも、同じように税金がかかるのでしょうか?
実は、集めたポイントの金額やその使い道によっては、税金の対象になってしまうんです!
せっかく無料でポイントを集めたのに、税金がとられてしまうのは残念ですよね。
そこでこの記事では、ポイントに対する税金の決まりや、ポイント投資にかかる税金について、ポイント投資中のファイナンシャルプランナー(FP)が詳しく解説します。
どうすれば税金がかからずにポイント投資ができるか分かりやすく説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2021年3月現在の情報に基づいて解説しています。
▼▼ワンコインでできる投資法は?こちらの記事もチェック▼▼
1.ポイント投資の利益にかかる税金とは
ポイント投資は、運用方法によって2つに分かれます。
- ポイント運用・・・擬似的な投資として、ポイントをそのまま運用する
- ポイント投資・・・証券会社にて、株式や投資信託をポイントで購入する
ここではポイント運用・ポイント投資が課税の対象になるか、また実際に課税される可能性があるかに焦点をあて、国税庁の見解を元に解説します。
参考:「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」(国税庁)
(1)ポイントが付与された時点では、税金はかからない
楽天ポイントやdポイントなどのポイントは、付与された時点では課税対象になりません。
ポイント付与は、物を買ったときの「値引き」と同等であるとみなされ、課税されないのです。
課税されるかどうかは、そのあとどう運用・投資するかで決まります。
(2)ポイント運用による利益は「一時所得」の対象
ポイント運用の利益(運用に使ったポイントを除く、利益部分のポイント)は「一時所得」に分類され、課税の対象となります。
一時所得とは、文字通り一時的な収入です。
例えば、懸賞金や保険の解約返戻金などが一時所得に当たります。
ただし一時所得には50万円の特別控除があり、50万円を超えなければ課税されません。
年間で50万円分のポイントをもらったり取引したりするケースは、あまりないかと思います。
よって多くの場合、税金を払う必要はなさそうです。
(3)ポイント投資に関する税金は「一時所得・譲渡所得」
証券会社を通したポイント投資では、2段階に分けて課税されます。
#1:ポイントを買い付けに使うと「一時所得」
ポイント投資で株式や投資信託を買い付けるとき、ポイントを一度現金に換えてから買い付けがおこなわれます。
このときポイントを現金に換えると「一時所得」になり、課税対象となるのです。
ただし特別控除があるため、買い付けに使ったポイントが50万円を超えなければ課税されません。
#2:売却で得られた利益は「上場株式等の譲渡所得」
ポイント投資で買い付けた株式や投資信託を売却したとき、利益は「上場株式等の譲渡所得」となり、20.315%が課税されます。
これはポイント投資に限らず、証券会社で株式や投資信託を売却するときと同じです。
また一時所得と違って控除はないため、利益があれば必ず課税されます。
しかしポイント投資につみたてNISAや一般NISAなど非課税口座を使う場合、利益については非課税となります。
参考:「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(国税庁)
▼▼つみたてNISAに関してはこちらをチェック▼▼
2.ポイント投資で確定申告は必要?
ではポイント運用やポイント投資を行う場合、確定申告は必要なのでしょうか?
結論から言うと、年末調整を会社で済ませているなら、基本的に確定申告は不要になるケースが多いです。
ポイント運用やポイント投資で実際に課税されるには、かなり大量のポイントが必要になるからです。
では詳しく解説していきましょう。
(1)ポイント運用の場合
ポイント運用の場合、確定申告は不要になるケースがほとんどです。
まず一時所得の控除は50万円もありますので、利益が50万円までの場合は全額が控除され非課税です。
また会社員など給与所得者の場合、給与以外の所得が20万円を超える場合は確定申告の対象となりますが、これは一時所得の控除後に20万円を超える所得が残ってしまった場合の話。
要するに、一時所得控除額50万円+20万円超=「70万円」を超えなければ、確定申告は不要です。
(2)ポイント投資の場合
ポイント投資の場合も、基本的に確定申告は不要です。
ポイントを買い付けのため換金すると一時所得に当たりますが、年に70万円を超えなければポイント運用の場合と同様、確定申告は必要ありません。
ただしポイント投資の売却益は「上場株式等の譲渡所得」となり、売却時に利益があれば20.315%分が課税されます。
しかし「源泉徴収あり特定口座」をお使いの場合、証券会社が税金を計算し源泉徴収してくれるため、確定申告は不要です。
確定申告を避けたいなら、あらかじめ源泉徴収あり特定口座を開設しておくと便利ですよ。
(3)確定申告が必要な場合
一時所得が控除額の50万円を超えた場合、もともと確定申告が必要だった方は、この一時所得に関して確定申告が必要になります。
[確定申告の必要なケース]
- 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)を利用している方
- 一時所得を含め、給与所得以外の所得があわせて20万円以上ある方
- 年収が2,000万円以上ある方
- 2ヵ所から給与を受け取っている方
一時所得が20万円を超えなければ確定申告しなくてよいのは、そのほかに確定申告する要件がない場合です。
とはいえポイント運用で得られる利益や、ポイント投資の買い付けに使うポイントが50万円を超えるケースは、普通ではあまりありません。
ポイント投資やポイント運用については現状、確定申告は必要ないと考えて問題ないでしょう。
3.おすすめのポイント運用・ポイント投資2選
ポイント運用では、利益(一時所得)が50万円を超えるケースは考えにくく、基本的に税金はかかりません。
またポイント投資の場合、利益(上場株式等の譲渡所得)が出ると20.315%の税金がかかりますが、株や投資信託など投資対象が多くなるため、利益が増える可能性も大きくなります。
またつみたてNISAや一般NISAなどの非課税口座が使える場合には、ポイント投資の利益に税金はかかりません。
よって、ポイント運用やポイント投資をする際は、そこまで税金に過敏になる必要はないでしょう。
最後に、投資初心者でも利用しやすいポイント運用やポイント投資を2つご紹介します。
- ポイント運用の代表格「dポイント投資」
- ポイントを使って株や投資信託が買える「楽天ポイント投資」
税金をそこまで気にせず、資産運用を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(1)ポイント運用は「dポイント投資」がおすすめ
dポイントを使ってできる「dポイント投資」は、選べるコースが11種類と多いのが特徴です。
投資に使えるポイントは通常ポイントのみで、100ポイント単位から投資できます。
[dポイント投資のコース]
運用カテゴリー | コース |
---|---|
おまかせ運用 |
アクティブコース |
バランスコース | |
テーマ運用 |
日経平均株価(日経225) |
新興国 | |
コミュニケーション | |
生活必需品 | |
ヘルスケア | |
金(ゴールド) | |
クリーン・エネルギー | |
米国大型株※ | |
日経インバース指数※※ |
※ Theo+docomoに口座開設完了している方限定
※※ 直近1ヵ月以内にd払いの利用がある方限定
テーマ運用は、実際のETF(上場投資信託)に連動した値動きとなっています。
日経平均株価と日経インバース指数は野村證券の「NEXT FUNDS」、それ以外は米国ブラックロック社「iシェアーズ」シリーズのETFに連動しています。
おまかせ運用とテーマ運用は、同時に運用が可能です。
最初はおまかせ運用からはじめ、次に興味のあるテーマをポイント運用されてみてはいかがでしょうか。
▼▼dポイント投資の詳しい解説はこちら▼▼
(2)ポイント投資は「楽天ポイント投資」がおすすめ
「楽天ポイント投資」は、楽天市場でのポイント還元率があがるおトクなポイント投資です。
具体的には以下の条件を満たした月に、楽天市場でお買い物をしたときのポイント還元率が+1倍となります。
- 楽天証券のポイントコースを「楽天ポイントコース」に設定
- ポイントのみ、あるいはポイントと現金あわせて500円以上の投資をおこなう
また楽天ポイント投資では、源泉徴収あり特定口座のほかに、2つの非課税口座(つみたてNISA口座、一般NISA口座)が利用可能です。
そのため、利益にかかる20.315%の税金を非課税にできます。
筆者は楽天ポイントをつみたてNISAでポイント投資し、ポイント還元率や非課税のメリットを享受しています。
無料でもらったポイントを運用して増やし、その利益も非課税にできるのは、大きなメリットでしょう。
なお楽天ポイント投資で利用できるのは通常ポイントのみで、期間限定ポイントでは投資出来ませんのでご注意ください。
▼▼期間限定ポイントの使い道は?こちらの記事で解説しています▼▼
まとめ
今回はFPの立場から、ポイント投資と税金について解説しました。
課税のしくみはやや複雑ですが、基本的に確定申告は不要なことがわかり、安心された方も多いのではないでしょうか。
ポイントの使い道に迷っていたら、元手がいらず手軽にできるポイント運用や、ポイント投資を試してみてください!
気がついたら、きっと頼れる財産になっているはずです。
※ライター:鳥飼千愛
======
MoneyCourt(マネーコート)では、今知りたい株式投資や少額投資に関する情報を発信中。
▼▼こちらも記事もぜひチェックしてください!▼▼